京都 四条高倉の占庭から

オンライン雑談会をしてみたい

休業して一か月が経ちました。

週4日の通勤がないと、季節の移り変わりに疎くなります。

ゴールデンウィークの時候って、こんなでしたっけね。

なんだか季節が停まったような気がしてしまいます。

たしかに桜は散って葉が繁り始め、ハナミズキは満開で。

桜もそうですが、ハナミズキも咲いているのを見て、

ああ、この木はそうだったのか、と初めて知ったような気になりますね。

来年のハナミズキを見るとき、どんな気持ちになるのかなあ。

去年はほんとうに大変な春だった、と過去の出来事になっていればいいのですけど。

 

わたしはヨーガに通っていまして、いまはスタジオもお休みになっています。

2週間ほど前から、先生が無料でオンラインレッスンを始められました。

zoomを使って、30分ずつ、週2~3回。

レッスンを受けたい一心で、わたしもzoomを使うようになりました。

なかなか新しいことを始めるのってハードルが高いのですが、

こういう働きかけがあるとやってみようと思うもので、

そのきっかけという意味でも、とてもありがたいことでした。

久し振りに先生の笑顔が見られて、お声を聴けただけでも、

気持ちがほっとしました。

思っていた以上に、体がバキバキになっていたことにも気づきました。

30分という短い時間でも、心身がほどけて、とてもラクになったんですよ。

実際に、言葉を交わす、顔を見て安心する、ってのはホントですね。

体験してしみじみそう感じました。

 

それで、わたしも何かできないかなあ、と考えまして、

オンライン雑談会とか、どうかな、と。

いまはとにかくできるだけ自宅にいましょう、ということで、

家族以外の人と会話する機会がガクンと減っていますよね。

お茶でも飲みながらですね、いや、お酒がいい人はお酒でもいいんですけど、

ゆるーく、なんか喋れたらいいかな、と。

雑談なので、なんでもいいんです。

世の中が自粛期間に入ってから家でやってみたこととか、生活の変化とか。

できたら、脱力系の話や、笑ったことなんかが理想ですが、

しんどいことがあるなら、そういう話をいろんな人に聴いてもらうのも

いいかと思います。

もし、始めるとしたら、参加者だけが見聞きするので、

顔出しを基本としたいです。

わたしも顔出しは苦手なのですが、だれかわからない人と話すのは、

参加される人同士も不安だと思いますしね。

zoomでするのがいいのか、Facebook Messengerのビデオチャットがいいのか、

迷っています。

友人が、Messengerのビデオチャットでオンライン飲み会をしたそうで、

それだと時間制限なく無料で使えるのがいいということでした。

けれども、Wi-Fi環境や、パソコンの性能などによっては、

タイムラグが出てしまうこともあるそうです。

友人はパソコンだとタイムラグが出て、iPhoneだと出なかったのだそう。

Facebook Messengerを使うと、無料通話もできるので、

仕事で、電話占いにも利用できます。

ということで、占庭のFacebookページを作ろうと考えています。

Facebookページもあったらいいのかなあ、と思いながら、

特に必要に迫られなくて作成してませんでした。

こんなキッカケで作ろうと思うことになるとは。

新型コロナによる変化が、こんな小さなところにも生まれていますよ。

自由

昨夕、テレビで四条大橋あたりの風景がチラリと映ったのを見ると、

ぽつぽつと川床が建ち上がっているのが確認できました。

室内よりは三密を回避できるということと、

緊急事態宣言解除後へと期待されてるんだろうなあ、

と、厳しい状況の飲食業の方の心中、お察しします。

川床って、建てるのも撤去するのも費用のかかることですし、

現状、どうするのがよいか、判断を迷われるところだと思います。

飲食店に限らず、商店、企業についても毎日のように、閉店、廃業、

一旦閉めて落ち着いてから移転再開予定などの情報がいろいろ流れてきます。

行政からの保証がどうなっていくのかも流動的なので、

どのタイミングでどういう判断をするのがよいのか、ほんとうに難しいです。

 

そういうことを占いではどう出るのか?

とお考えになる方もおられると思います。

もちろん、おひとりおひとりの今年の運気というのもありますし、

直近の状況がどうなっていくのか、カードを引いてみることもできるので、

ある程度、占いでお答えはできます。

けれども、そういった非常時での現実的で、身に迫って深刻なことについて、

占いで決めたい、という方はほとんどおられないんですよね。

そういうものなのだと思います。

占い師のわたしが言うのはヘンかもしれませんが、それが真っ当だとも考えます。

おそらく占いというのは、ギリギリの状況で用いられるものではないのでしょう。

いまは占いよりかは祈祷のほうが求められるのかもしれませんね。

 

話は変わりますが、実は先日、歯の具合がよくなくてですね、

こんな時期に、歯医者さんへ行くのは歯医者さんにとっても迷惑では?

と思ったのですが、ネットで症状を調べてみると、ちょっとまずそうだったので

行ってきました。

結局は、わたしが心配していた病状ではなく、数十年前に治療した、

被せをしている歯が中で虫歯になっているのではないか、ということで、

三本の歯にまたがっている被せを全部はがしてやり直すことになりました。トホホ。

幸い、痛みはなく、しばらく治療を先延ばししてもいいですよ、

と先生もおっしゃるので、治療開始は延期しました。

ですので、わたしの場合、国から振り込まれるだろう10万円は、

にわかに必要となってしまった3本の歯の治療代に消えそうです。

 

その、国からの10万円ですが、申請が必要ということで、

受け取る人と辞退するという人の間で、妙な軋轢が生まれていますよね。

そんな軋轢、ほんまにしょうもないことでねぇ。

受け取りたい人は堂々ともらえばいいし、

要らないという人は勝手に辞退すればいいだけの話だと思うんですよ。

受け取りたい人に蔑むような発言をするなんてどうしようもねーな、

と思いますが、世の中には必ずそういう人、いるんですよねぇ。

なるべく関わらないようにするしかありません。

それから、辞退する人に対して、意見する方も多いです。

辞退するのでなく、受け取って必要とされているところに寄付をしたらよい、

というお考えです。

それはとてもいいことだとわたしも思います。

けれども、そうすべき、という圧は、正義の押しつけにもなりかねません。

それぞれがそれぞれの考えで、受け取るなり、辞退するなりすればいいわけで、

その考えについて非難し合うのは要らないことですよね。

そういう個人の選択を縛ったり、監視することが常になってしまうと、

当たり前だった自由がどんどん損なわれていくのではないかと、

そっちのほうが心配になります。

息苦しい毎日ですけど、窓を開けて、ゆったり呼吸して、

世の中のしんどい空気にのまれないようにしたいですね。

変わっていく

例年であれば、鴨川沿いの飲食店が川床を建て始めるころで、

四条大橋を渡りながら、ああ、ゴールデンウィークがやってくるのかあ~

と、どっと繰り出す観光客を思い、ちょっとげんなりしたものです。

通勤してないのでわからないのですが、今年はどうなっているのでしょうか。

飲食店が平常営業できないいま、床を建てるのも大変だと思います。

占庭のお客さまの中には、川床をやってらっしゃる方もおられますし、

どうされているだろうかと気になります。

 

今年は祇園祭山鉾巡行も中止になりました。

明治時代に、コレラが流行した際、秋に延期や、5月に実施なども

あったらしいのですが、中止自体は、58年ぶりだそうです。

祇園祭は、疫病退散のお祭りでもありますから、神事はもちろん行われるでしょう。

いまこそ蘇民将来のお力を、ってなりますもん。

八坂神社では、いま、臨時の茅の輪を掛けてらっしゃるそう。

疫病退散・無病息災の特別祈祷も郵送受付があるんですって。

http://www.yasaka-jinja.or.jp/news/2020/04/000236.html

 

 

観光イベントとしてではなく、京都の街をお浄めする意味で、

いまだからこそ巡行できればいいのに、と思ってしまうのですけれど、

山鉾巡行は、多くの方々が密接して、声を出しながら曳かれるし、

どうしたって見物人は集まってしまうでしょうし。

中止も致し方ありません。

山鉾巡行は、京都の人々にとっては、特別な祭事で、

どんなにひどい天候だろうと決行されますからね。

中止は苦渋の決断だったことと思います。

 

しかしまあ、このコロナ禍後の世界というか、街の姿すらどうなるか、

想像したら怖いですね。

ローンのない自前の店舗を持ってるところは持ちこたえられても、

高い賃料を払っているところは、厳しいです。

一旦手放して、完全に落ち着いてから出直し、というのも

言うは易いけれども、現実的には非常に難しい。

世の中が大きく変わっていくことも考えられるし、

そうなれば商売のやり方も変化させていかねばなりません。

いま焦ってもいいことはないのですが、考えておくことは必要かな。

今後のこと、果たして終息がいつごろになるのか、パターンをいくつかに分け、

それぞれの心づもりをしておきたいです。

 

と、こういうことを書いてると、すごく暗-くなっているように感じられるかも

しれませんが、そんなことはないんですよ。

いま焦ってもしょうがないのと同じで、暗くなってもしょうがないです。

じめじめ悩まず、カラッと悩みつつ考えます(笑)

スーパー歌舞伎Ⅱ 期間限定無料配信

店舗休業して2週間。

毎日どう過ごしているかというと、まず家事ですね。

元々、わたしくらい専業主婦に向いてる人間はいないんじゃないか、

(ああ、それなのに専業主婦にはなれないサダメ、、、)

と思ってるくらいなので、家にずっといるのは何ら問題ありません。

でもね、それって、いつでも出ようと思えば外に出られて、

行こうと思えば行きたいところへ行ける、っていう前提があるからなのだ、

ということを痛感しています。

実際に、行くかどうかは別で、行きたいなあ、明日行ってみよかなあ、

と楽しみにできることが、自由ってことやったんですね。

 

なんでもそうなのでしょうけれど、その立場になって、経験して初めて、

痛いことが痛いとわかるわけで。

来月の店賃をどうしようか、この状況で何か月辛抱するべきか、

という、もっと切迫した問題があるわけですが、いますぐの判断は難しい。

それならば、とりあえず新しいレシピを試してみようか、という毎日で。

 

もちろん家事だけじゃなく、仕事もやっています!

今月の、電話、メールでのご依頼は、全員、リピーターさんでした。

うれしいです。

こんな時に思い出して、連絡をしてきてくださるってね。

とてもありがたいです。

話していると、電話の向こうで笑ってらっしゃるお客さまの笑顔が浮かんで、

わたしのほうが癒されます。

お送りしたメールに、丁寧なご返信をいだだいて、ほっとします。

対面での占いが何よりも好きではありますが、電話やメールもいいものですね。

でもそれは、いま時間がたっぷりあって、ゆっくり向かい合える、

という状況だからよけいにそう思えるのかもしれません。

いずれにしても、お客さまあっての占庭です。

いつもそう思ってきましたが、その意味が一層、沁みます。

 

今朝、SNSでこちらが期間限定で無料配信されているのを知りました。

スーパー歌舞伎Ⅱ『新版 オグリ』市川猿之助 フルバージョン @京都南座

https://www.youtube.com/watch?v=npTPD_xcAsE&feature=youtu.be&fbclid=IwAR0GDPmm_XYnFKI0L6G3LCZJpWhVfmHE0uHFDJPhiWqnDV1RA5zPc1IL7sQ

 

街角でポスターを見ていて、おもしろそうだなあ、と興味はあったのですが、

他の舞台と同じように、上演中止になりました。

歌舞伎もスーパー歌舞伎も一度は観てみたいけれど、チケット代も結構するし、

なかなか、えいっと腰が上がらずにいたので、この無料配信はうれしい!

ほくほくと見始めました。

 

京都南座バージョンということで、ところどころにご当地ぽい台詞も出てきます。

デジタルとアナログのコントラストがたまりません。

伝統芸でありながら、サービス精神あふれるエンターテイメント。

風刺も効いていて、ぐいぐい引き込まれます。

が、無料で観られる、とほくほくしていた気持ちは、見ている内に、

どんどん萎んでいきました。

ああ、ここで、どっと笑いが起きたな、ここでうわーっと拍手がわいたろうな、

ここはすすり泣きが聞こえただろうな、と思わずにいられないんですよ。

フィナーレは、観客も一体になって、めちゃくちゃ盛り上がったに違いない。

「無観客」のつらさ、痛さとはこういうことか、と実感しました。

もう、残念で残念で。

素晴らしければ素晴らしいほど、その無念さが胸に迫ります。

もちろん、それは、タダで観せてもらっている者の感想であって、

演じている方、つくってきた方、裏方、劇場の関係者、みなさんの痛みは、

そのはるか上にあるわけです。

そんなことが、いま日本中、世界中で起こっている。

その一端に触れた気持ちになりました。

こうして発信してくださった思いをちゃんと受け止めないと、ですね。

 

期間限定配信は、19(日)まで。

絢爛豪華な芸の異世界を堪能できますよ。

休業期間延長 & 電話・メール占いのお知らせ

昨日、緊急事態宣言が出ましたね。

占庭は京都なのですが、自宅は大阪でして、近くのショッピングモールは、

テナントのスーパーのみ営業で、他は休業となっています。

休業が増えてきていたカフェなどの飲食店も軒並み休業に。

図書館も、閲覧はできないものの、予約貸出しの対応はしてもらえていたのですが、

明日から全面休館です。

そこで働いてらっしゃる方のことを思えば、それは致し方ないことですね。

そんな中、医療関係、福祉関係、スーパー、お役所関係、流通関係、

インフラ関係など、休みたくても休めない方々も多く、ほんとうに頭が下がります。

ありがとうございます。

そして、どうかどうか、感染されませんよう、お気をつけください。

 

占庭は4月から休業し、ひとまず2週間くらい様子を見ようと思っていたのですが、

緊急事態宣言の期間がゴールデンウィーク明けくらいまでということで、

それに合わせ、休業期間を延ばすことにしました。

しかしながら、その頃、状況が劇的に好転しているとも考えにくいので、

その先も、再延長、ということになるかもしれません。

そうなりますと、いつまで店舗の空家賃を払い続けていくか?

という問題が出てくるのですが、そこの判断は、もう少し先にするとしまして、

ひとまずは日々をできるだけ心身健やかに過ごしていくしかありません。

 

店舗休業に当たり、電話やメールでの占いもお受けしています、

とアナウンスしていたのですが、詳しいことはお伝えしていなかったので、

お知らせしておきますね。

 

【電話占い】

対面占いと同様に、日時をご予約の上、お電話を頂戴いたします。

見料も、対面と同額の30分2500円です。

営業日や時間は決めていませんので、できるだけご希望にそうようにいたします。

 

【メール占い】

お尋ねになりたいことをできるだけ詳しくメールでお送りいただきます。

こちらから質問をお送りし、数回やりとりする場合もあります。

メール占いの場合、占術によって見料が違います。

・生年月日での占いのみ 2000円

・タロットでの占いのみ 1500円

・両方 3000円

これらのいずれかをお選びください。

 タロットカードでの占いは、あまり遠い未来のことを占うには適さないので、

 数週間~2,3か月先くらいまでの直近の将来についての占いに用います。

 

電話・メール占い、どちらも見料は先払いにてお願いしています。

振込先などは、お問い合わせの際に、お知らせいたします。

 

【問い合わせ先】

電話 09028049716

メール kyotouraniwa@gmail.com

 

店舗休業については、そこそこ長期、と肚はくくりました。

しかしながら、どこまでその長期を現状維持でやっていくかの見極めとなると、

これまた難しい。

当面は、電話やメールでのご依頼を受けながら、しのいでいくほかありません。

 

いろいろと大変ですが、戦争よりはずっとマシ。

その上、インフラは通常通りで、スーパーにはちゃんとものが揃っています。

しばらくの間の不自由で感染拡大が防げるならば、なんのその。

と自らを励ますしかない現状。

みなさまもどうぞできるだけ用心なさって、元気でいましょうね。

マスクなしで占庭でおしゃべりできる日も、きっときます。

ロックダウンの恐ろしさ

そろそろ緊急事態宣言が出されるようですね。

都市のロックダウンとは違うので、封鎖されるわけではないですが、

真剣にいまの事態を受け止めて行動を、というメッセージは重いです。

 

既にロックダウンされた外国の都市を見ていて、まず最初に頭をよぎったのは、

それによって家庭内はどうなるのか? という恐れでした。

家庭が安息の場所である人はよいのですが、そうでない人も少なくありません。

わたしは占いを通して、いろんなご家庭の事情を聴いてきて知っています。

家庭内暴力、家庭内別居、モラハラ、虐待、夫婦・親子・兄弟姉妹関係など、

それぞれに問題を抱えながら、なんとか息抜きや気分転換をし、

どうにか持ちこたえているお家もたくさんおありです。

そういうお家で、家族全員が在宅し、しかも外へは最低限しか出られず、

先行きの不安にのしかかられたときの不幸は想像にたやすい。

密室で起こる八つ当たりはエスカレートしていくものです。

ウィルスよりもそちらのほうがよほど危険、という方だっておられると思います。

いざとなったら逃げ出せる場をあらかじめ考えておいたほうがいいかもしれません。

できれば、公的な相談窓口なども開いている内に、当たっておきましょう。

 

また、休日は朝からお酒を飲むのが楽しみ、という人も結構おられますが、

毎日がお休みになってしまえば、延々とそれが続いてしまいかねません。

いつもと違う生活を強いられたとき、どんな人だってストレスを感じるし、

解消できずに積もり続けるストレスは人を蝕んでいきますでしょう。

こういう時こそ、SNSがよい活躍をしてほしいなあと思います。

不安を分け合ったり、励まし合ったり、気分転換を共有したり、

そういう使い方だってできるんじゃないですかね。

 

不確かな情報を大量に発信する人や、誰かを打ちのめすように叩く人、

不安を煽り続ける人などは、この際ミュートしていいと思います。

ほんとうに信用できる人や、信頼できるニュースソースを見極めるいい機会、

と考えて、落ち着いていま起きていることを見届けたいです。

この災禍を乗り越えたとき、多くのことが明らかになるのでしょう。

今回のことで、パニックにならず、正しく恐れて身を守る、というのは、

ほんとうに難しいことだということがよくわかりました。

そして、国民がきちんと声を上げること、よい政治家を選ぶことの大切さも。

ふたつのプレッシャー

近所のソメイヨシノが満開です。

明日は風が強くなるらしいので、散ってしまうかな。

 

4月に入って休業し、家で過ごしています。

メールや電話でのご依頼もあり、仕事から完全に離れた状態にはなっていません。

ほんとうにありがたいです。

店舗営業を休止し、現実問題としては非常に厳しいわけですが、

精神的にはとてもラクになりました。

新型コロナウィルスというのは、わからないことだらけなので、

絶対感染源にならない、という確実な方法はなく、できるだけの用心をしたとて、

不安はずっとつきまとっていたので、店を閉める、ということで、

その不安だけは払しょくできました。

 

それともうひとつ。

随分、前の話なのですが、自宅で整体のお仕事をされている知人がいました。

その方が、事情があって自宅での営業を続けられなくなり、

病院へ転職されました。

病院で働かれるということで、きっとリハビリとかのお仕事だろうと思っていたら、

病院内での用務員的なお仕事だと聞いて、驚きました。

他に適したお仕事がなく、その職種を選ばれたのではなく、

そのお仕事をやってみたいと思っての就職だったそうで、

せっかく、特別な技術をお持ちなのにそれを生かしたお仕事に就かれないのはなぜ?

と訊ねましたら、

「疲れたんです」

とおっしゃいました。

 

患者さんを元気にするためには、自分が常に元気でいなければならない。

いつも健康な状態であり続けなければ、というプレッシャーがないというのは、

とても快適です。

うっかり風邪をひいたら休めばいいんですから。

 

と晴れ晴れとしてらっしゃいました。

当時は、そのプレッシャーがどれほどのものなのか、

わたしに実感することはできなくて、そんなに? と思ったものでした。

けれども、自分ひとりで占いの店を始めてからは、それが身に沁みてわかりました。

ご予約をいただいていたら、その日時、

元気な笑顔で、お客さまを迎えなければなりません。

声が出ない、咳が止まらない、熱があるなどはもちろん、胃腸の調子が悪い、

頭痛がひどい、足腰の不具合で店舗までたどりつけないなど、

どれが起こっても困ります。

わたしの場合は、めまいという持病もあり、これは突然やってくるので、

常にその不安とは背中合わせです。

先日、4月から当面休業します、とアナウンスして、3月末の営業を終えた日、

明日、声が出なくなってても、天井が回り始めても、いいんだ(よくないけど)

と思って、肩の荷がドッと下りた気持ちになりました。

それでほんとにガクッと気が緩んで寝込んだりしたらイヤだな、

と思うくらいに。

 

ウチのような小さな店舗で、一日のご予約数がわずかであっても、

これくらいのプレッシャーがあるのだから、

大きな会場でライブや芝居、講演などをされる方のプレッシャーやいかに、

と察して余りあります。

大変だなあ、そういうお仕事の人。

体調の維持・管理と社会での役割を果たすということが切り離せないんですね。

長年、活躍を続けてらっしゃるミュージシャンとか、ほんとにすごいですよね。

新しいものを生み出し続ける創作のプレッシャーと、

精神と肉体のポテンシャル維持のプレッシャーと、両方あるわけで。

なんてことを休業して数日、考えておりました。

 

そして何をしているかといいますと、今日は豆を炊いています。

時間がたっぷりあり、家から出ず、気持ちが急いてない時にはぴったり。

なので、小豆とか金時豆とかじゃなく、もっと時間のかかるやつを!

という気分になって、黒豆にしました。

家中、いい匂いがしています。