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京都 四条高倉の占庭から

占い師は突然に

子どものときからお稽古事が嫌いです。

だいたい、何曜日の何時に、どこそこへ行かなければ!

という予定があるのがしんどい、というタイプ。

よほど好きなことでなければ、続くわけがないですね。

そんなワタクシですが、ヨーガだけは続いています。

気持ちいいんですよねー

カラダにもココロにも。

 

お稽古事というのは、先生と合うかどうかというのも、

大きなポイントになりますよね。

やはり、通うとなると長いおつき合いになりますし、

できれば人間的にも尊敬できる人に教わりたいもの。

 

関西へ引っ越してくる前、5年ほどヨーガ教室へ通っていました。

お屋敷と呼ぶにふさわしい大きなご自宅で開講されていたのですが、

クチコミで生徒さんがいっぱい、という教室でした。

たっぷり2時間のレッスンの後は、先生がお茶を淹れてくださって、

みんなで少しおしゃべりする時間がありました。

ある日、先生が、

「わたし、この前、手相を観てもらってね」

とそのときのお話をされました。

これは先生の手を観せていただくチャーンス!

それまで、どんな手をなさっているのだろう、、、、

と興味津々ながら、なかなか言いだせなかったのです。

この機を逃してはならじ!

すかさず、観せてくださいとお願いしました。

そしたら、

「あら!みゆきちゃん、手相が観られるの?!」

と快く観せてくださって、いろんなお話ができました。

他の生徒さんたちも、わたしも、わたしも、と手を差し出してこられて、

その日は手相観会みたいになってしまいました。

もちろん、そのころはただの占いフリークで、

わたしの方こそ観せてもらえてラッキー、と思っていたのでした。

 

その手相観会がちょっとした評判になって、

他の曜日の生徒さんからも、個人的に頼まれるようになりました。

手相だけじゃなくて、他の占いもできるということがわかると、

クチコミの輪がグンと広がりました。

何の役にも立たなかった趣味で、こんなに喜んでいただけるなんて、

と、わたしはとってもうれしかったんです。

 

そんなある日、ヨーガの先生から驚くような提案が。

「あなたの占いはとってもいいと思うの。

 みんなを元気にする力があるから、おやりなさい」

と、小さなお店と話を決めて来られ、

土曜の午後にそこで占いをすることになってしまったんです。

そう、わたしの頭越しで決定済み。

 

えええ~~~~!

 

青天の霹靂です。趣味なのに。

 

「先生、わたし、お金なんてもらえません!」

「あら、タダの方が気を遣うのよ。

 安くてもいいからキチンとお金はもらいなさい。

 でも、お金をもらうからには、あなたはプロなのよ」

と言われ、どんどん気持ちは重くなっていきました。

 

けれども、断れる話でもなく、

ええい!ままよ!

と、とりあえずやってしまう気性は、いまも変わりません。

が、最初からお客さまがたくさん来てくださるはずもなく。

お店の隅を貸してくださる方に申し訳ない気持ちでいっぱいながらも、

オソロシイことに、だんだん慣れてもくるんです。

お客さまが満足気にお帰りになると、役目を果たせたようで、うれしい。

もっと詳しいお話がしたいと、勉強もしました。

そのお店での占いは、ほどなく終わりになったのですが、

そこからのお客さまがクチコミで広がり、

個人的にお会いして占う、デリバリー占いに移行しました。

いつも、どなたかのご紹介の方とお会いするので、

困ったお客さまもなく、実に楽しく進んでいけました。

そんなこんなで、なんだか知らない内に占い師になっていたのでした。

もちろん本職ではなく、昼間は堅気の事務職です。

それは子どもの大学卒業が見えてくる時期まで続きました。

 

あのときヨーガの先生が、無理くりに

「おやりなさい」とおっしゃらなかったら、

わたしは占い師にはなっていませんでした。

もしかしたら、その言葉に出会うために、

ヨーガ教室に通っていたのかもしれないと、いまとなっては思うくらい。

こうして、まったく念じてなかったのに開いた道なので、

却って、自分が歩むべき道だったのかも、と思ったりもするのです。