京都 四条高倉の占庭から

パワースポットよりも

今朝はちょっと早く家を出て、お店に来る前に、

知恩院さんにお参りしてきました。

女坂を降りてくると、参道沿いのお庭に淡いピンクの枝垂れ梅が咲いていましてね。

ちょうど見ごろで、それはそれは美しかったです。

春はそこまで来ているんですねぇ。 

うちは母方が浄土宗なので、知恩院さんは総本山。

そういうご縁のあるお寺ではあるんですが、

それだけではない、どこか引きつけられる場所でもあります。

 

以前、勤めていた大学に、占いや神社仏閣に詳しい先生がいらして。

その先生は経済がご専門だったのに、占いについてもまさに研究者で、

本職の占い師以上に究めてらっしゃいました。

その先生とゆっくりお話ししたのは、辞める直前の一度だけなんですが、

印象に残るお話が多くて、鮮やかに記憶しています。

 

先生がおっしゃるには、

「だれでも3つくらいは、自分に合った、お寺や神社がある」

のだそうです。

そこへ行けば、なんとなくほっとするとか、心が晴れるとか、

うれしくなるとか、いいことがあるような気がするとか、

そういう、そこはかとないしっくり感のようなものがあるのだそうで。

困ったり、悲しかったり、悩んだりしたとき、

これこれこういうご利益があります、という神社仏閣へお参りするよりか、

自分がそう感じるところへ行く方がいいんですよ、ということでした。

 

そのお話を聴いて、わたしにとってのその「場」はどこかしら?と考えました。

まず思い浮かんだのは知恩院さんでした。

ご縁もあるし、いずれは自分もそこへ入れてもらいたいと願っているところで、

こちらはもう間違いなく、その「場」だな、と。

あとはどこかしら?

 

それから、その「場」を探すようになりました。

伊勢神宮も大好きで、毎年のようにお参りしているのですが、

外宮さんも内宮さんも、ちょっとよそよそしい感じで、違うよう。

 

内宮さんからおはらい横丁を抜けて行った先に、猿田彦神社があります。

こちらには、最初の一歩を踏み出すときに、背中を押してもらえる、

「みちひらき」のご利益があるということで、

占庭を始めるときに、お参りに行きました。

そうしたら、鳥居が見えてきたときから、気持ちが浮き立つ浮き立つ。

鳥居をくぐって、手水場で手と口をすすいでいる間も、

なんだかうれしくてしょうがないんです。

 よく来たねー!

と両手を広げて抱きとめてもらったような、安心感と喜びに包まれるという、

かつてない心地になりました。

それ以来、お伊勢さんにお参りするたびに、猿田彦さんにも必ず参ります。

というか、猿田彦さんに行きたいがために、お伊勢さんにお参りしてるのかも、

というくらい大好き。

なぜだかわからないけれど、間違いなく猿田彦さんはわたしの「場」ですね。

まだ出会っていないけれど、もうひとつくらいは、

そういう素敵な「場」があるのだと思うと、すごく楽しみになります。

 

その先生は、高野山が最高だとおっしゃっていましたし、

わたしの従兄は、鞍馬さんは特別や、と言います。

ほんとに人それぞれ、自身に合ったところがあるのでしょうね。

パワースポットと呼ばれるところもたくさんありますけど、

パワーが強いところというのは、良いことばかりでもないと思うし、

合っていなければ、ご利益どころか、、、ということにもなりそうです。

自分に合った「場」を見つけようとすると、

そういう「場」に招かれることもありそうです。

まずは自分の感覚を研ぎ澄ませて、心地いい場所を探してみてはいかがでしょう。