京都 四条高倉の占庭から

花まつりと春画

4月8日は花まつり(お釈迦さまの誕生日)。

亡くなった祖母の誕生日も今日だったんです。

だからというわけではなく、たまたまなんですけど、

祖母が眠る知恩院さんへ、お参りに行ってきました。

 知恩院さんでは今日、灌仏会をやってはるというのは知っていたけど、

それに参加しようという気持ちはまったくなく。

そしたら、帰り道に参道で、甘茶のお接待をしてらして。

小学生たちが、お盆に紙コップをたくさんのせて、

道ゆく人に配ってくれていたんです。

見ると、路傍に設えたテーブルの上には、お焼香の香呂もあり、

その脇の桶の中には、小さな仏様の立像があって、

甘茶を掛けられるようになっていましてね。

こんな機会はないので、手を合わせて、甘茶を掛けさせてもらいました。

で、ちょっとクセのある甘茶もいただいて、花まつり初体験です。

いやあ、なんだか感激でした。

 

で、会期が明後日までとなった春画展にも行ってきました。

今日明日は開館時間を延長されているので、これは狙い目だと思って。

数年前も、大人気だった上野のフェルメール展を

この夜の延長タイムに行って、ゆっくり見られたという成功体験があったので、

そんなつもりで行きましたら、細見美術館は展示室が狭いので、

ゆっくり、というわけにはいきませんでした。

入場は30分待ちくらいだったので、しめしめ、と思ってたんですけれどね。

甘かったです。

 

浮世絵は大好きなので、春画っちゅうもんを一度見てみたいと思っていました。

東京へ行ってまで、とは思ってなかったんですが、

京都へ来たからには、これは行かないと!と思って。

展示されていたもののなかで、絵がわかるのは、

国芳、師宣、春信、歌麿北斎、英泉、国貞くらい。

その数少ないわかる作者のものは、

 ほー、なるほどー、あの人が春画を描くとこうなるのねー

っていう楽しみ方ができて、おもしろかったですね。

 

春画って、誇張がもっとユーモラスなのかと思っていたら、

思いの外グロテスクでして。

ソコだけが微細に描かれつつ、極端に誇張されているので、

他の部分となんだかアンバランスなんです。

ほとんどが、そういう描かれ方なので、

それが春画のお約束みたいなものなのかしら。

 

しかし、ガラスケースの中に展示された、本来は秘めやかに見るものを

見ず知らずの人たちと、身を寄せ合うようにして見るっていうのも、

なんか違和感がありましてねぇ。

いやー、もっと楽しめると思っていたんですけれど、意外でした。

 

もちろん、中には、ぷっと笑ってしまうようなのもあったり、

ほーーーと思うような当時の風俗を窺わせるものもあって、

興味深いものではあったんですけれどね。

春信なんかは、やっぱり着衣の美人画の方がいいですわ。

 

秘め事は、秘めてこそ。

ひそやかに、こっそり見てこその春画なのかも、

と思った次第です。