四条大橋から見下ろすと、川床がすべて整って、
ああ、夏へ向かっているなあと思います。
今日は上天気で、日除けのない床は暑いくらいでしょう。
本を読んでいて、ぐいぐい引き込まれるときはまず2パターンあって、
登場人物の行く末が気になるときと、ストーリーの行く末が気になるとき。
これ、同じようにも思えますが、違うんです。
登場人物、主に主人公の行く末が気になるときっていうのは、
その人物に感情移入して同化しているか、
もしくは単純にとても好きになっているとき。
この人、どうなっていくんやろ・・・・という興味は、
できればしあわせになってもらいたい、と願っていることがほとんです。
まあ、時には、こんなイヤなやつ、それ相応の報いを受けよ!
と呪う気持ちになる場合もありますが、そういう読書は心地よくありません。
人物造形がすばらしく、なんという魅力のある人だろうか。
ああ、素敵。
大好き。
こんな人、実際にはいてないやろけどな。
みたいな人が出てくるお話は心地いいですもんね。
で、もうひとつのストーリーが気になる場合。
いったい、この物語はどうなっていって、どういう決着を迎えるのか。
ハラハラする。想像がつかない。この話、ほんとにまとまるの?
という興味で目が離せなくなります。
この場合、登場人物のビジュアルも浮かんでこないくらい薄味でも、
物語の強さで一気読みしてしまうことが多いです。
あー、おもしろかった~~~~
と、これはこれでしあわせな読書ができるわけですが、
愛着のある作品として心に残るっていうことは少ないかも。
わたしはどっちかというと、魅力的な人が出てくるお話が好き。
どんな人かが自然に浮かんできて、読んでいる間、
ずうっと共にあると感じられるのは、楽しくしあわせです。
頭の右上あたりに別の世界が開いているような気分になります。
そして、もうひとつ別に、知らない世界を広げてくれる作品も引き込まれます。
ええええ、そうやったんかーーーー、
それは知らなかった!ほんと?ほんと?
みたいな興味を満たしてもらえるもの。
でもこれは、フィクションでは少ないかもしれません。
ごくごく稀に、これらがふたつ、みっつとドッキングした作品に出会います。
それはもうこの上ない至福の読書。
あとどれくらい、そういう作品にめぐり逢えるかな。
「それなら、この作品を!」
と推してくださるものがありましたら、ぜひ教えてください。