京都 四条高倉の占庭から

聴く & 訊く

「黙って座ればピタリと当たる!」のが占いだと思ってらっしゃる方、

いっぱいいたはるんやろなあと思います。

占い師が選択ミスなんてしようものなら、

「えー、占い師のくせに、自分のこともわからないの?」

とか言われちゃったりするんですよ。

あんまりだー

 

占い師ならば、未来はすべてお見通し。

「あなたは、あーなって、こーなって、あそこでこうして人生を終えるのよ」

という話をするものだと思われてますでしょうか?

 

ハッキリ申しましょう。

それは幻想です。

というか、わたしには無理。

 

未来を作っていくのは自分自身で、道を選ぶのもご自身です。

その結果を受けて、また悩みながら生きていくというのが、

人の道っちゅうもんでしょう。

と思っている占い師ですので。

 

占いでわかるのは、運勢です。

定まっている運命ではないんですね。

そもそも運命が定まっているとも思いたくないですし。

 

命式を観れば、波瀾万丈な人生か、穏やかな人生かくらいは一目瞭然。

けれども、波瀾の中にも安寧はあり、穏やかな中にも波風は立ちます。

そのレベルは大きく違っても、当人にとっては一大事なわけです。

ですのでね、その方、その方が、いま抱えてらっしゃる難題や、希望を

占いによってよい方向へといざなえたならば、それこそ占い師にとって、

「よい仕事ができた」っていうことなんじゃないか、と。

 

そこで、お客さまの難題や希望へのアプローチの仕方。

そうそう。ここからは、昨日のブログの続きになります。

 

わたしのやり方はとにかく「聴いて、訊く」ということです。

お気持ちをじっくり聴く。

そして、疑問に思ったところ、確かめたい部分を訊ねていきます。

どんどん訊きます。

ほぼ、インタビューです。

その際、なるべく具体的に、できるだけ簡潔な問いを心がけています。

お客さまはインタビュイー。

問われるままに、ご自身の思いを言葉にして伝えてくださいます。

そうしている内に、自然にほぐれてくるんですね。からまった糸が。

何色の糸が、何本あって、それぞれがどのくらいの長さ、太さなのか、が、

だんだん明らかになってくるのです。

それは、優先順位が明確になってくることでもあり、

ご自身のシンプルな気持ちが見えてくるということでもあります。

 

すると、

 どうしたいのか?

 どうなりたいのか?

 何が欲しいのか?

という欲求が、ぱらぱらっとこぼれ落ちてくるんですね。

そこまでくれば、あとは容易いことで。

持って生まれた運気と資質、現在の運気と環境などを併せ観て、

対処の仕方、気持ちの持って行き方をお話しするだけです。

カードを引いてヒントを得ることもあります。

 

要するに、こころの整理整頓のお手伝いが主な仕事なんですね。

その上に占いが乗ることによって、ご自身の選択に勇気が湧いたり、

吹っ切れたり、肚をくくれたりするのだと思います。

 

ということで、占庭の場合、

「黙って座ればピタリと当たる!」とはほど遠いということを

ご了解いただけるとうれしいです。