京都 四条高倉の占庭から

運命の輪

今朝、四条大橋を渡っていましたら、鴨川の床の撤去が始まっていました。

夏の間はいろんなお祭りやイベントがあって、賑やかだった河畔も、

少し静かになっています。

けどまあ、ああ、またごった返す紅葉シーズンが近づいてきているんやなあ、

とも思うわけで。

 

 

パソコンの前や、鏡台の前に座って、ぼんやり思うのは、

「生きてたら楽しいコトいっぱいあるよね~」

ってこと。

知らず知らずに口に出して呟いていることもあります。

なんだか口グセになっているような気もします。

そして、頻繁にそう言っている時というのは、案外しんどかったり、つらかったり、

煮詰まっていたりする時なんですね。

どうもわたしは、しんどいなあとか、つらいなあとか、もういやだ、

とか言う代わりに楽しいコトいっぱいあるよね~ と言うてるらしいと気づき、

少々衝撃を受けました。

 負のイメージにつながる言葉はあまり遣いたくないという意識はありましたけれど、

まさか無意識にここまでやっているとは。

 

わたしは小さい頃から、大きな声で感情をぶつける人が苦手です。

大声でわーわー言われると、たいへん不愉快になります。

そして、相手が感情的になればなるほど、スーーーッと心が冷えていって、

この人はばかだ、と思ってしまうようなのです。

名付けて「氷武装」。

いや、これ、たった今、思いついたんですけど、イマイチなネーミングですね。

 

負の感情に巻き込まれたくない、黒いオーラに取り込まれたくない、

という防御のために、そうなるのだと思うわけです。

もちろん、わーわー言う人に、もっと大きな声でわーわー言い返したりしたことも

ありました。

だけど、それは相当に消耗するし、後からひどい自己嫌悪に陥ります。

そう。同じ土俵に立ってはいけないんですね。

で、わーわー言う人を土俵に残して、とっとと去ればよいのだと学習したのです。

そこでいう勝ち負けは、表面的で一過性のものです。

わーわー言って勝ち取ったと思う人もあるかもしれないけれど、

そんなことで手に入れられる勝利なんて、くれてやる、と思いたいですよねぇ。

それよりも、自分を失わない矜持を守りたいではありませんか。

 

ですので、わたしは、嫌いな人とは争わない、が原則です。

争う意味がなく、価値もないと思うので。

そういう点では、わたしはとてもドライだし冷徹でもあります。

なんといっても、それは切り捨てて、後をも見ないということですから、

容赦ないですものね。

 

けれども、基本的には寛容でありたいと思っているし、

ホットでありたいと思っているので、それは余程の時のことに限られます。

とにかく、大きな声でわーわーはダメ。

寛容でいられないなら、その場から去る方式を発動するしかありません。

 

けれども、その方式を使えない局面だってあるわけですよね。

負の感情の石つぶてが飛んで来ても、よけずに立っていなければならない時もある。

きっとそういう時に、わたしは知らず知らずに口に出してるんだろうなあ、

って思うわけです。

「生きてたら楽しいコトいっぱいあるよねー」って。

そかそか。くたびれちゃってたか。よしよし。

と、自分で自分の頭を撫でてやらねばなりません。

だけど、そうしてだましだましやり過ごしていたら、

ホントに楽しいコトもやってくる。

だから生きていけるんですよね。

 

タロットカードには「運命の輪」というカードがあるのですが、

このカードが意味するのは、運命の輪は同じ方向へ同じ速度で回り続けている。

永遠に続く幸福もなければ、永遠に続く不幸もない。

うまくいかないときは最善を尽くしながら、風向きが変わるのを待ち、

うまくいっているときも、それがこのまま続く保証はないことを

心のどこかに置いておきなさい、ということです。

 

実際には同じ速度ということはなく、幸不幸のどちらかに偏っていたりするのかも

しれませんけれど、その概念は真理だなあと思います。

みなさんも、考えてみてください。

いまのご自身は、順風の中にいるのか、逆風に遭っているのか。

そして、その運命の輪が回る音に耳を澄ませてください。

少しこころが鎮まるような気がしませんか?