京都 四条高倉の占庭から

舞台「真田十勇士」

先日「真田十勇士」の舞台を観てきました。

sanadajuyushi.jp

チケットは早くに買っていたのですが、体調が芳しくなく、西宮まで行けるのか?

電車で移動&観劇で、半日かかるそのミッションを完遂できるのか?

と気が気じゃあありませんでした。

けれども、ここは貧乏人根性が威力を発揮し、チケットを無駄にしてはならじ!

と思ったのがよかったのか、なんとか体調も持ち直し、行くことができました。

で、行ってほんとうによかったです。

観る人の体温を上げ、もしかしたらこれ、免疫力だってUPするんちゃうの?

というほどの活力を与えてくれる舞台でありました。

 

芝居は、華やかで、サービス精神満点のエンターテイメント。

スペクタクル時代劇と銘打ってありますが、昭和前半くらいの時代の

『痛快!大活劇』みたいな感じで。

演出が堤幸彦さんということで、何これ『SPEC』?みたいなところもあって。

「ちょこっと関西バージョン」だったらしく、ベタな関西ネタや小ネタも

ちりばめられていて、観客を楽しませよう、喜んでもらおう、

という思いがあふれていました。

 

主人公の猿飛を演った勘九郎さん、やっぱお父さんに似てらっしゃるんやなあ。

きちんとした芸事をしてきた人っていうのは、腰がぶれないからか、

所作や殺陣が実にうつくしいです。 

他の出演者もイケメン揃いなのですが、後ろの方の席だったので、

お顔まではしっかり見えず。

ただ、加藤雅也さんの小顔っぷりが際立っていました。

 

カーテンコールまでしっかり演出されてあって、プロのエンターテイメントを

見せてもらったなあ。 

広い舞台を縦横に走り回り、客席をも走り抜け、よくまあこんなハードな舞台を

一日二公演やったりするなんて大丈夫?・・・・と心配になるほどです。

体調管理大変だろうなあ、と、自分の具合が悪いからか余計に感じました。

 

わたしが舞台を観るのが好きなのは、テレビや映画では味わえない、

今日のお客のために、今日の役者が全身全霊で演じ切る、

というライブ感がたまらないから。

その全身全霊を素晴らしいと思うし、感動もするんですね。

芝居の内容、筋のおもしろさはもちろんだけれど、演出の妙、音響、美術、照明、

裏方のスタッフが一丸となって真剣勝負をする、その刹那が快感なんですねぇ。

なので、カーテンコールに演者が全員出てきて、会場を見回し誇らしげに頭を上げ、

そして下げる。

客席からは惜しみない拍手が。

というところに、実は一番感動してしまうのですよ。

 

その肉体と精神を酷使して、こんなにハードな舞台で、

観客をここまでトコトン楽しませてくれてありがとう! ありがとう!!

 

と胸がいっぱいになります。

それが双方にびんびん、ジンジン伝わるほど、いい舞台なのではないかしら。

 

スタンディングオベーションの間から帰り道の電車の中でも、

役者さんやスタッフの方への感謝で、心がぶわっとふくらんでいました。

筋もおもしろく作ってあるし、演出もド派手でポップ。

でも単にそれだけじゃないから、魂がふるえるんやなあ。

勇気や力が湧いてくるような胸の高鳴り。

ああ、いい舞台だったなあ。