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京都 四条高倉の占庭から

忠臣蔵と新撰組

よしなしごと 読書

先日、テレビで、史実に基づいた赤穂浪士の討ち入りの再検証、

みたいな番組をやっていて、おもしろく見ました。

 

わたしは「忠臣蔵」と聞くと、常にセットで思い出す人がいます。

それは高校の時の友だちのお父さん。

その友だちは、一風変わった魅力があり、よくモテていました。

すごく素敵な文章を書く文学少女でもあって、わたしはその子から、

谷川俊太郎村上春樹も教えてもらったんですよねー

お姉さん、お父さんも読書家で、要するに、そういう文系のお家だったのかなあ。

 

で、そのお父さんの口グセが、

忠臣蔵新撰組は大嫌いだ」

だったんですよ。

ああいう、忠義だとか、滅びの美学とか、殺し合いを美談にするとか、

そういうことがガマンならなかったのでしょうか。

ウチの父は、逆に、忠臣蔵とか新撰組とか大好き!という俗な人だったので、

高校1年生のわたしには、それは結構なショーゲキで。

で、そういう確固たる自分の価値観や信条を持ってるお父さん、カッコイイやん~

と思ったものでした。

それでも、そのお父さんも人の子で、というか、人の親で、

娘らに近づく男子の天敵のような存在でもあったので、友だちは父親のことを

「ウチのナフタリン」と呼んでいました。

虫除け、ってことですね。

でも、そこはかとない親子の情みたいなものも感じられて、

そういう意味でも羨ましかったものです。

 

その頃、わたしは忠臣蔵には興味はなかったのですが、新撰組は大好きで。

中学生の頃から、手当たり次第に本を読み漁っていました。

読むだけでは飽き足らず、沖田総司を主人公にしたほのかな恋愛小説なんかを

ノートに書いていた、っちゅうくらいのオタクっぷり。

 

きっかけは木原敏江のマンガ『天まであがれ!』でした。

新撰組を描きながらも、闘病と死があり、友情あり、時代に翻弄される悲劇であり、

かすかにBL、シスコン、ブラコンの気配もかもしつつ、出生の秘密付きの、

ドジでみそっかすの女の子の恋物語であり、成長の物語でもあるという、

これぞ少女マンガの王道!と言いたいくらいの傑作です。

これだけの要素を詰め込んでなお、それぞれの個性あふれる登場人物が魅力的で、

ありえない設定の波乱万丈なストーリーなのに吸引力があるてねぇ。

少女マンガだから成立したのかもしれません。

連載されていたのは40年前のマーガレット。

そらもう夢中で読みました。

そんで、もう泣いた泣いた。

次の日、学校に行くのがイヤなくらい、まぶたを腫らしたものです。

 

このマンガから入ったもので、新撰組隊士ひとりひとりが、

実に親しみやすい存在だったんですねぇ。

その後数年間読み続けた新撰組モノの小説も、

それぞれの人間性と生涯を描いた作品が好きでした。

政治的な思惑とか、時代の流れとか、武士道だの美学だのはどうでもよくて。

けどまあ、その熱も十代を終える頃には、すっかり冷めていたのですけれどね。

 

と、書いていたら、なんだか急に『天まであがれ!』を

どうしてももう一度読みたくなってきました。

おお、今でも入手可能らしい。(ネット調べ)

 

読み返したら、やっぱりまた号泣するのかしら。

それを確かめたいような、確かめたくないような。

でもたぶん買ってしまうな。

読んだら40年前のわたしに出会えそうな気もするから。