京都 四条高倉の占庭から

京都芸術花火

6月に入りました。

今月末は、夏越しの祓(なごしのはらえ)です。

京都では、この6月晦日に「水無月」という和菓子をいただいて、

厄落としをします。

わたしはこの水無月が好物でして。(もともと、ういろうが大好き)

6月になれば、あちこちの和菓子屋さんに並ぶので、とてもうれしい。

ああ、京都でお店を開いてよかった! と思えるほどです。

倉敷に住んでいた頃は、まず売っていないので、

甘納豆を使うなどして、自分で蒸して作っていたんですよ。

どんだけ好きなん? ってことですけどね。

しかし、和菓子は季節感があっていいですね。

京都は特に、手づくりの和菓子屋さんがたくさんあってしあわせです。

 

5月30日に、淀にあります京都競馬場へ行ってきました。

お馬ではなく、花火を見に。

その名も「芸術花火」。格調高いでしょ。

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いろんなジャンルの音楽にのせて、それはそれは見事な花火が打ち上げられます。

1時間弱の間に、なんと1万3000発!

しかも、超高級花火が目白押し。

色彩、大きさ、きらびやかさ、形状など、どれをとっても、

ああ、こんなん見たことないわ~~~ 

と、その美しさ、豪華絢爛さに圧倒され、ポカーンと見惚れるばかりでした。

その贅沢さたるやもう、いや~~~ すごかった!!

 

当日は朝から雨の一日で、午後からは上がるかと思っていたら、

夕方まで降り続きました。

わたしはあまり雨に遭わない晴れ女なので、きっと上るだろうと

高をくくっていたので、ええーーー と思っていたのですが、

開演前には、キッチリ雨雲は去りました。さすが、わたし。

 

まずは QUEEN の「I was Born to Love You」で始まりました。

幕開けにぴったりの曲で、ノリノリです。

が、ですね、次々に打ち上げられる華々しい花火を見上げながら、

強烈な違和感も同時に感じていました。

自分のなかの「打ち上げ花火を見る」デフォルトと違いすぎたんですねぇ。

だいたい花火っていうのは、夏祭りに見るものでしょ。

 

日中の暑さにぐったりした夜。

何これ、夜になってもなんでこんなに蒸し暑いん? 勘弁してほしいわー

とか思いながら、汗でベタベタする首筋にうちわで風を送りつつ、

むぅっとした空気の中で、夜空を見上げる。

間近で見られるなんてことはまずなくて、だいたい遠目。

見える花火と、聞こえてくる音に時差があるようなね。

しばらく続けてあがったなー と思っていたら、パタっと止まって、

あれ? もう終わりかな? と思うと、またあがる、みたいな。

そんなちょっとチープで、どことなくもの悲しいような、淋しいような、

夏の終わりが見えてしまった、という気持ちになるのが打ち上げ花火ってもん。

と体は認識していたんだ、ってことがよくわかりました。

 

けれども、今回の花火は、夏祭りの花火ではないし、

チケットを買って入場し、指定席で観る花火ですからねー

それも「芸術」と冠のついたショーです。

そりゃもう違って当然なわけで。

 

1曲目のQUEEN 以降のセットリストはこちら。

 

2 ハナミズキ 一青窈

3 前前前世 RADWIMPS

4 Hello Beyonce

5 HEY JUDE  The Beatles

6 Habanera(aria) Maria Callas

7 ベートーベン交響曲第9番二短調 第4楽章 →Pia-no-jaC←

8 おひさま 平原綾香

9 Survival Muse

10 My Way Frank Sinatra

11 誕生 中島みゆき

 

というバラエティに富んだ(というか見事にバラバラな)選曲でありました。

老若男女、いろんな音楽嗜好に合わせようとすると、こんな感じになるのかな。

クラシック、オペラ、ビートルズフランク・シナトラビヨンセ

中島みゆきって・・・・

もうちょっと一貫性があってもよかったんじゃないかなあ、

と思ってしまいましたけれどね。

花火に合わせるならば、

ビヨンセよりかは、マドンナ。ミューズよりかは、コールドプレイやろ。

と一緒に行っていた夫と意見が一致したのですが、

まあ、このへんは、好みの分かれるところでしょう。

 

このショーの醍醐味は、音楽と花火の饗宴。

音楽と合わせることで、花火がよりドラマチックに感じられます。

秒単位でタイミングを計り打ち上げる技術はすばらしい。

リハーサルはできない一発勝負。

関係者の方々は胃が痛いんちゃうかしらと、いらん心配をしてしまいます。

ただ、ちょっと残念だったのが、音楽で消されてしまう音もあること。

花火の消え際の、チリチリというような、かそけきあの音が、

情緒があって好きなもので。

 

視界の端から端まで、クッキリ、ハッキリ、キラキラとした花火を鑑賞し、

というか、その豪華さと美しさ、花火技術の進化にも圧倒され、

1時間ほどのショーは、まさにあっと言う間に終わりました。

 

なんとも、めちゃくちゃ贅沢なモノを見てしまった・・・・

という後ろめたいようなキモチとともに、帰路につくワタクシたち。

また観てみたいけど、莫大な費用がかかるであろうあのショーを

また観たーい♪ と能天気に言えないところもあって。 

けれども、一見の価値のあるものでした。実に実に。

すごかった、の一言に尽きます。

 

後日、KBS京都でテレビ放送があるってことだったのですが、

いつになるのかが、調べてみてもわかりませんでした。

テレビでも見てみたいです。

きっとまた、違った感じ方をするのだろうなと思います。

あの場でしか味わえないもの、テレビには映らないもの、

聞こえないものって、必ずありますしね。

音楽でもお芝居でもそうですけど、LIVEならではの価値は尊いです。

 

あまりにも間近で打ち上げられ、頭の上で開き、降るように落ちてくるので、

翌日は首が痛くなってしまいました。

ま、首の痛みも思い出になるかな。

 

こちらに動画も上がっています。

www.asahi.com