京都 四条高倉の占庭から

『歴史が語る 恋の嵐』 いつの世も どのひとも

八月晦日

今月は、なんだかいつも時間に追われていたような気がします。

占庭も忙しかったし、人ともたくさん会ったし。

めちゃくちゃに暑い夏でしたよね。

そこここで「平成最後の夏」っていう言葉をゲップが出るほど見た夏でした。

 

明日から9月。

まだまだ暑そうですが、10月、11月のご予約も続々と入ってきています。

そう、京都は秋の観光シーズンに向かっているってことですね。

 

数日前、占庭のお客さまでもある知人と、恋愛について話しました。

恋愛についてというよりは、恋愛観、夫婦観についてかな。

わたしは仕事柄、いろんな恋愛のお話、夫婦像についてもお聴きしています。

たくさん聴いているんだから、あるべき姿、理想的な関係みたいなものが、

あなたのなかにはあるんでしょ、と思われるかもしれませんが、逆ですね。

どんどんちがう形が増えていくばかりで、まとまってはいかないんですよ。

でも、ま、そりゃそうですよね。

ひとりひとり愛の形はちがうし、望む愛もまちまちなんですもん。

 

というわけで、久し振りのカテゴリ「読書」も、恋愛です。

 

『歴史が語る 恋の嵐』中野京子

 

これね、すごーくおもしろかったです。

だけど、どれも短すぎるのがとても残念で。

14歳の大納言久我雅忠の女二条から、66歳のマルグリット・デュラスまで

24人の女性たちの恋が紹介されています。 

名前すら聞いたことがない人もあるし、名前だけ知ってる人や、

よくよく知ってるつもりでも、その人と「恋」がどうにも結びつかないんですけどー

なんて人も。 

そりゃ、キュリー夫人や、アガサ・クリスティだって恋したことはあるに

決まってるんだけど、そこへなかなかフォーカスされることはないですよねぇ。 

おもしろい! 

もっと知りたい! 

と思うのに、数ページでさらっと完結してしまうのが、実に残念でした。 

どの抄も頭に恋愛に関する箴言が記されています。 

鋭いです。

こころに響いたものをいくつか残しておきますね。



 愛されているという驚きほど、神秘なものはない。 
 それはいわば肩に触れる神の指だ。 
 (チャールズ・モルガン) 


 人生最大の幸福は愛されること、 
 それも自分が自分であるゆえに愛される、 
 いやむしろ、こんな自分にもかかわらず愛される、 
 そう信じられることである。 
 (ユゴー) 


 つづけばいいのか。 
 いっときの燃焼が、なぜ持続に劣るのか。 
 (ロラン・バルト) 


 恋愛は人生の花であります。 
 いかに退屈であろうとも、このほかに花はない。 
 (坂口安吾) 


ここまでは恋愛賛歌的なのだけど、

これはどういう経緯で生まれたものなのか・・・? 

 妻に最初の愛人ができるのは、まちがいなく夫の責任だ。 
 (ドストエフスキー) 
   

ドストエフスキー、、、、 

 

(2014/8/16)