京都 四条高倉の占庭から

お彼岸ですね

秋のお彼岸には、ちゃーんと彼岸花が咲いていることに毎年感心します。

今朝は、電車から風景を眺めていて、ついこの前、

水を張った、田植えしたての田んぼってほんまにキレイやな~ 

と思っていたのに、もう稲刈りですか!? と驚いたり。

彼岸花や、稲の風景に心がふるっと揺れるというのは、

まさに日本人ならではなんやろなあ、と思います。

 

稲といえば、先日、ラジオで、

「田植えって、なんでまっすぐに植えるか知ってますか?」って話が出て。

まあ、いまは田植え機で植えるから、まっすぐなんやろ、と思うでしょうけど、

大昔から、糸を張って、それに沿って植えてたりしましたでしょ。

なぜまっすぐかというと、稲か雑草かを見分けやすいように、なのだそうです。

稲にそっくりの雑草や雑穀があって、それに養分、水分を取られないように、

それらを見分けて抜きやすいようにしてあるんですって。

まっすぐの線上から外れているものは、雑草決定、というわけ。

農家の方には当たり前の話なのかもしれませんが、初めて聞いて、

へぇ~~~~! と思いました。

 

さて、今日は、梅小路公園で、京都音楽博覧会が開催されています。

遠くの台風の影響で、雨風が心配されたのですが、怪しい雲行きながら、

いまのところ、お天気はもっている様子です。

せっかくのフェスですしね、なんとか終わりまでもってくれるといいですね。

 

わたしが若いころは、音楽フェスなんてのはなくてですね、

「ライブ」と言い出したのも、すっかり中年になってからでした。

昔は、コンサートて言うてましたね。

わたしの親世代になると「実演」と言っていたらしい。

時代を感じますよねぇ。

チケットも、レコード屋さんや、百貨店、プレイガイドに並んで買ったものです。

数日前から並ぶ猛者もいたりして。

それが、電話になり、ネットになり、便利になりましたね。

 

こう見えてわたしは(見えてへんか)、結構音楽が好きで、

小さなライブから大きなライブまで、いろんなところへ行っています。

占庭のお客さまも、ライブやフェスに行くのが好き、って方、多いです。

そういう方には、誰のファンなんですか? と尋ねます。

全然知らないバンド、ってこともよくあるんですけど、

ああ、知ってる知ってる! みたいなところから話が弾むこともあって、楽しい。

「彼女はこれから必ず、来ますよ!」と勧められたアーティストが、

ほんとうに、あれよあれよという間に有名になっていった、

なんてこともありました。

メディアやネットで目にするアーティスト名から、

ああ、あの方がお好きて言うてはったなあ、

とお客さまを思い出すこともしばしばです。

関西でのライブに参戦するために、遠方からお越しになって、

そのついでに占庭へ寄ってくださることも、結構あるんですよ。

昔は、全国飛び回る追っかけ、って特別な存在でしたけど、

いまや、どんなに遠方でも、チケットが取れたら行く!

というファンは、どんなジャンルでも、ちっとも珍しくなくなりました。

それはもちろん、交通機関が発達したということも大きいでしょうけれど、

情報の速さ、広さが、実際の距離感も縮めているような気がしますね。

なんかもう地球上のどこにも、最果ての地なんてないように感じられるくらいで。

(実はすぐ近くでも行けないところはいっぱいあるのだけれど)

 

わたしが生きてきた、たった半世紀余りの間にも、時代はどんどん変化し、

猛スピードで文明は進化してきたんですよねぇ。

それでも、変わらず、お彼岸には彼岸花が咲き、稲穂が稔っている。

その風景がこれからも変わらずにあってほしいなあ、

となんだか祈るような気持ちになってしまう秋ですよ。

 

とここまで書いたら、雨音が。

ついに降り出してしまったかあ。

早く上がりますように。