京都 四条高倉の占庭から

あたたかいってうれしい

ものすごく大きな台風が東海、関東方面へと向かっています。

台風からの雨雲が、日本列島全体を覆いそうなくらいの大きさです。

関西は台風の進路からは外れているのですが、昨夜から雨が降り続き、

風もだんだん強くなってきました。

占庭も本日は臨時休業させていただくことにしました。

申し訳ありません。

 

いい季節の三連休で、ご予定のあった方もたくさんいらっしゃると思います。

今日から明日にかけて、台風があまり被害を及ぼさず、

早く過ぎてくれることを祈るほかありません。

みなさまもどうぞお気をつけください。

 

 

昨日は定休日で、わたしはヨーガのレッスンに行っていました。

台風前で、湿気を含んだ生ぬるい空気の日だったので、先生が、

こんな日は、陰ヨガにしましょう、とゆったりしたレッスンとなりました。

レッスン最後のシャバーサナ(脱力して仰臥するポーズ)の時、

先生が小さなブランケットを腰から下に掛けてくださいました。

いつものレッスンのときは、筋力を使うポーズも多いので、

最後は身体が温まっているし、元々冷え性でもないので、

いままでブランケットを掛けてもらってはいなかったんですね。

(掛けてほしい人は手を挙げて掛けてもらいます)

昨日も、掛けてほしい人? と先生が尋ねられたなら、

たぶんわたしは手を挙げなかったと思います。

けれども、陰ヨガだったし、ということで、先生が掛けてくださったわけです。

 

その、ブランケットを掛けてもらった時ですね、

ふわっとやさしく静かに掛け、足元にすき間ができないよう丁寧にくるみ、

両足先をブランケットの上から、そっと包むように握ってくださったんです。

その慈しみに満ちた、愛情深い動作に、ぐっと胸がつまりました。

心が波立って、うっかり泣きそうになったほど。

きっと、先生のなさったことが、ただブランケットを掛ける「作業」ではなく、

おつかれさま、冷えないようにね、という気持ちがこもったものだということが

ダイレクトに伝わったからでしょう。

 

こんなふうに誰かから、やさしく丁寧に大切に扱ってもらったのは、

いったいいつ振りだろうか・・・・

と忘れかけていた感覚に再会した気持ちでした。

 

相手を思いやる気持ちっていうのは、こうして伝わるんだなあ、

と改めて思いました。

わたし、家族をやさしく丁寧に大切に扱っているかなあ?

と思い返すまでもなく、ぞんざいにしている自覚、ありありです。

自分がしてもらってうれしかったことは、自分も誰かにしていきたい。

思えば、子どもが小さい頃は、お布団を掛けるときも、

そんな風にしていたはずなんですよね。

愛情っていうのは、当たり前の日常のなかで、

どんどん意識から外れていってしまいますね。

時々、ちゃんと意識してつかみ直さないと。

 

わたしの仕事は誰かの身体に接していくものではないので、

直接ブランケットを掛けて、温めることはできないけれど、

言葉を選んでかけていくことはできます。

昨日、ヨーガの先生から感じたような気持ちを

ゲストの方にも感じてもらえるようになりたい、

と強く思いました。

 

あたたかくあるということはどういうことなんでしょう。

手間と愛情を惜しまない、ってことかしら。

いつもいつもそうあるのは難しいと思うけど、

大事なところでそれをすっ飛ばさないようにと、心しておきます。