京都 四条高倉の占庭から

フリーメイソンとタロット

これからの季節、電車やバスを使っての通勤は、風邪をもらいそうで、

ちょっとイヤです。

インフルエンザの予防注射も、どれくらいの時期にするのがよいのか、

迷うところでもあります。

 

今朝、電車で、隣に座った年配の女性は、孫娘さんと連れ立ってらして、

会話の端々から、北海道から来られて、宝塚を観劇されたようでした。

孫娘さんの「どんな内容だったの?」のお返事が、

「えっとね、月組のナントカさんを中心としたもの。

 最後にクジャクの羽をつけて階段を下りてくるのがすごかった」

だったのが、なんとも愛嬌があって、クスっと笑ってしまいました。

また、4,5人のグループで乗ってきた高校生男子たちのひとりが、

リーダーの子に「どこの駅で降りたらいいの?」と訊いたところ、

「ヨジョウ」と答えたのもおもしろかったです。

四条をヨンジョウと読んでしまうのはまだ想定の範囲内ですけど、

ヨジョウは意外。

こういうおもしろさに出会えるのが、電車通勤のいいところですね。

 

その通勤時に、長いことかけて読んできた本もあと少しで読了です。

フリーメイソン 西欧神秘主義の変容』という、わたしには珍しく硬い本。

10年くらい前に、形見分けのようなかたちでわたしの元へきました。

なにしろ難しそうなので、なかなか読めずにいたのですが、

新書で軽いので、電車やバスの待ち時間にちょうどいいかと持ち歩いていました。

乗り物酔いするので、動いているときには読めないため、

ほんとに短い隙間時間に読んできました。

フリーメイソンって、なんか怪しげな秘密集団というイメージだったのですが、

ものすごく大きな団体で、思っていたより秘密っぽい雰囲気ではありませんでした。

 

なんか、秘密結社とかいうと、儀式で生贄とか捧げてる地下組織、

みたいな想像が広がってしまうんですけど、これ、わたしの場合、

昔の子ども向けTVの戦隊ものとかの敵役のイメージからきてるようなところが

 あるんじゃないかと思います。

なんだかよくわからないけれど、世界を陰で操っている悪の組織、みたいな。

幼稚な想像ですみません。へへへ。

 

当たり前ですが読んでみたら、全然そういうものではありませんでした。

それよりも、フリーメイソンに入っていた西欧の著名人の多さにビックリでしたね。

あの人も? この人も! って感じで。

モーツァルトのオペラ『魔笛』が、フリーメイソンの参入儀礼を描いている、

だなんて、全然知りませんでした。

そもそも、『魔笛』自体をちゃんと聴いたことすらないので、論外なんですけどね。

 

そういう知らないことだらけの、へぇ~~~ボタン連打の内容だったのですが、

中にはタロットカードの絵柄に共通するようなところもあって、

おお、そうなんや! とわかる部分もほんの少しですがありました。

 

たとえばこの「Ⅱ 女教皇」のカードです。

 

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黒と白の柱がありますね。

これは、ソロモン王が築いた神殿にあったとされる支柱で、

B(Boas ボアズ)は神の峻厳を、

J(Jahkin ヤキン)は神の慈悲を表している、

と以前に読んだ本にありました。

ところが、このBとJの2本の柱が、フリーメイソンの参入儀礼のところで

現れたので、ええっ? となりました。

実はこの女教皇のカードは、ウェイト版と呼ばれているものの絵柄です。

ウェイト博士という人が、元々のマルセイユ版のタロットカードを編み直したので、

ウェイト版と呼ばれているわけですが、マルセイユ版の女教皇のカードには、

柱は描かれてはいないんですね。

このウェイトさんは「黄金の夜明け団」という西洋魔術結社、秘密結社の人、

だったんです。

てことは、黄金の夜明け団は、フリーメイソンとなんらかの関係があったよね?

とググってみましたら、創設者の3名がフリーメイソンの人であった、

ということで、大いに納得しました。

分派し、完全に違う組織ではあったようですが、流れを引いてはいたということで。

教皇の絵柄が、ウェイト版ではエジプトの女神イシスっぽい姿をしている

というのも、これで納得できました。(フリーメイソンではイシスも重要な存在)

 

ウェイト版には、エジプト系のモチーフが多用されているのですが、

それは、元々、タロットカードの発祥の地はどこか? という謎があって、

昔はエジプト発祥説が根強かったこともあり、

エジプトの匂いをつけたかったんだろうなあ、と勝手に思っていたのですが、

フリーメイソンにも、エジプト色みたいなのが、あちこちに顔を出しているので、

そっちだったのか~ 

と、予想外の勉強になり、おもしろかったです。

本は世界を広げ、つないでもくれるんですねぇ。