6年前、堅気の事務職を辞め、占庭をオープンするまで1年余りの間、
イベント占いの占い師をしていました。
どなたかの紹介でない人を占うのは初めてで、ドキドキでした。
デパートやショッピングモールなどでやっているような、
期間限定のイベント占いもありましたし、
毎週一度、定期的に入る固定の店舗占いもありました。
そこでたくさんの占い師の方とお会いできたのは、よい経験になりました。
隣のブースでやってらっしゃる方と、ヒマな時間は占いっこしたりもして。
ほとんどが年上のベテラン占い師さんで、親切で人の好い方が多かったです。
イベント占いの見料は決められていて、だいたい相場は10分千円というところ。
お客さまは、なるべく短い時間でたくさん聴きたい、とお思いです。
タイマーを横に、効率よくできるだけいろんなお話をしなければと、
自然、早口になります。
定期的に入るところではリピーターさんもできてきますが、
期間限定のイベント系の場合は、通りすがりに座られて、
たまたまその日そこにいた占い師が観る、ということになるので、
まさに一期一会。
それっきりの関係を好む方もおられると思うのですが、
わたしにはそれが、どうにもしっくりこなかったんですねぇ。
なんか言いっ放しで終わるというのは、無責任な気がしてしまって。
言うても「占い」なんで、鑑定結果について、
お客さまの将来に責任を求められるようなことはないんですけど、
それにしたって、アフターケアが必要な場合だってあるだろうと思うんですね。
お客さまの状況も変化していかれるだろうし、それまでの経緯を知る者が、
それを踏まえて観るというのは、お互いによいことだと思うし。
そのためにはやっぱり、常設で同じ占い師がいつもいる、
というのは、ひとつの安心感に通じるんじゃないかと思えます。
「その後どうなりました?」
と訊ける&聴いてもらえるって、悪くないと思います。
そこに小さな人間関係が形成されて、
それなりの信頼関係もできてくるってことですもんね。
不定期のイベント占いでも、同じ商業施設に久し振りに入ったら、
以前来てくださったお客さまが、見つけてまた座ってくださる、
ということもありました。
うれしかったですねぇ。
ああ、やっぱりその場限りのイベント占いだけではつまらないなあ、
と実感して、自分のお店を持ちたいと思うようになりました。
自分でお店を開くのは、結構たいへんでした。
そして維持していくのも青息吐息。
それでも続けたいと思うのは、アフターフォローの責任もあるけれど、
お客さまとのつながりを失いたくないんでしょうね。
お久し振りですね。お元気でしたか?
あの件、どうなりました?
それで今日はどんなお話で?
という会話を今日も占庭でできるのは、とてもうれしいことです。