京都 四条高倉の占庭から

手相を独学でマスターするには

先日、手相に興味があり、たくさん本も読んでらっしゃるという

お客さまがお見えになりました。

手相に関する疑問について訊ねたい、プロの占い師はこの線をどう観るのか?

という興味でおいでになったようです。

 

手相占いは流派によって、観方・考え方が色々あります。

たとえば、右手と左手の解釈だけでも、さまざま。

そのどれが正しくて、どれがいい加減、と決められるものではありません。

手相を独学でマスターしようとする際、まずそこで迷ってしまうというのは

よくわかります。

 

いったいどの占い師の本が一番的中率が高いのか?

それがわかれば、その人の本だけを読めばよさそうですよね。

 

が、どの観方・考え方を選ぶかは、観る側の直感というか、

お好みで決められたらよいのではないかと思っています。

わたしも手相は独学なので、同じように迷い、

それはもう、いろんな手相の本を読みました。

たくさんの本の中で、ほぼ共通している見解は、それでヨシとして、

違う部分については、自分がしっくりくる考えの解釈を採ることにしました。

本を読むだけでなく、手当たり次第に、周囲の人の手相を観せてもらい、

曖昧な解釈の部分の答え合わせもしていきました。

 

始めは、線の意味に囚われ、流れる方向が気になり、

細かな線のどれもが意味のあるものに思え、混乱してしまいます。

けれど、たくさんたくさんの方の手を観せていただいている内に、

必要な情報が、すうっと目に入っていくるようになってくるんです。

不思議なことに。

線が訴えてくることもあれば、チラッと窺うようにこちらを見ていることも。

てのひらから上がってくる(としか言いようがない)気配も、

自然に感じられるようになってきます。

こちらはもう、どれだけ場数を踏むか、にかかっていると思います。

多くの人のてのひらと、真剣に向き合った回数が増えるほど、

観えるものも増え、線と線がリンクする意味合いもわかるようになり、

手応えのある観方ができるようになっていくようです。

経験を積むことによってしか得られないものは色々とありますが、

まさにそれなんですね。

 

わたしも千人くらいの方の手を観せていただいた頃から、

「わかる」範囲が定まってきた気がするので、

手相を独学でマスターしたいと思っておられる方には、

千人くらいの方をまず観てみてください、とお話ししています。

 

わたしは手相は現在のその方を観るのに有効だと思っていて、

サブ的に活用しています。

サラッと観せていただいた手相が、重要なことを知らせてくれることもあります。

生年月日と併せて観せていただくことで、ゲストの方が、

より立体的に立ち上がってくるような感覚を覚えます。

わたしにとって手相は、ふんわり話しかけてくれたり、

インスピレーションを与えてくれる頼りになる相棒です。