京都 四条高倉の占庭から

小アルカナ愛

今日もなかなか強烈な日差しだったのですが、

気温が上がっても、もう夏の暑さとはまったく違うんですよねぇ。

9月9日は重陽節句なのだそうですよ。

奇数は「陽」の数字で、それが重なると「気」が強くなりすぎるので、

それを払う儀式が行われていたということで。

という話をラジオで聴きました。

 

9は、一番大きな奇数ですもんね。

と思って、考えてみると、1月1日、3月3日、5月5日、7月7日と、

それぞれの節句は、払うという意味から、どれもお祝い事に転じていますね。

なるほどー

 

この、奇数・偶数の話を聴いて、タロットの数字と同じだなあと思いました。

タロットカードは、大アルカナと小アルカナを合わせて、

78枚が1デッキ(1組)になっています。

大アルカナと呼ばれる22枚のカードは1枚ずつにタイトルのついた絵札。

小アルカナは、トランプのように4つのスートがあります。

トランプでいうところのハートやスペードに代わるもので、

そのそれぞれにエースから10までの数札があり、

コートカードと呼ばれる人物カードが4枚加わり、

ひとつのスートに14枚のカードがあります。

ですので、小アルカナは、14×4=56枚あるわけです。

 

特に小アルカナは数札なので、タロット的な数字の概念が強く表されています。

ここでも、奇数と偶数では、エネルギーの違いや、動と静など、

「陽」と「陰」の扱いは、西洋も東洋も同じなのだなあと感じた所以です。

ただ、タロット的に、この数字はいい数字らしい、と感じるところがあったり、

奇数だけれど、安定型の解釈をされている数字があったりと、

そのあたりも、知れば知るほど、とてもおもしろ味があるのです。

 

華やかでドラマチックな22枚の大アルカナだけでも占うことはできますが、

地味で庶民的ながら味わい深い小アルカナも併せて占った方が、

断然おもしろいです。

というか、小アルカナがあってこそ、大アルカナが輝くし、

何より小アルカナの含蓄には、なんとも言えない滋味があるんです。

本屋さんで売っている、解説本とカードがセットになっているものは、

ほとんどが大アルカナだけしか入っていません。

入門としてはそれが、とっつきやすいとは思うのですが、

小アルカナにこそ、魅力があるのに・・・・とちょっと残念です。

 

占庭のタロット教室でも、まず最初は大アルカナから始めます。

大アルカナだけでも充分占えるので、それだけで完了できる形で、

レッスンを進めます。

だいたい、最初から78枚のカードの正位置・逆位置の意味を

全部覚えなければ!と考えたら気が遠くなってしまいますもんね。

それで、まず華々しい大アルカナから入っていきます。

そして、大アルカナをマスターされる頃に、小アルカナに進むかどうか、を

選んでいただきます。

大アルカナで修了される方もありますが、多くの方が小アルカナへ進まれます。

大アルカナ22枚をやってみて、これならあと56枚なんとかなりそう、

と思われるということでもあるし、もっと知りたいという興味が湧いてくる、

ということでもあるのでしょう。

 

まあ、そこには「小アルカナが、ホントおもしろいの!」という、

わたしの小アルカナ愛に押されてしまうのかもしれません。

長くレッスンに通っていただくために、小アルカナも!

と言っているのではないということは、わかっていただけていると思います。

 

小アルカナをやると、タロットの数字観が見えてくるんですね。

それに4つのスートのカラーが重なって、個性が立ち上がってきます。

大アルカナだけでは表現しきれないニッチな箴言がチラっと顔を出す感じ。

好きなんですよー、小アルカナ。

22枚全員が主役の大アルカナに比べると小者感ありありなんですが、

芝居でも脇が主役を食っちゃうことがあるように、

実に魅力にあふれているのです。