まだ夏休み序盤なのに、この暑さ。
おかしいんじゃないでしょうか?
と思うほどの今日この頃。
みなさま、体調を崩されたりしていませんか?
体のなかにこもった熱を取るには、スイカがいいそうですよ。
けれども食べ過ぎると内臓を冷やしてしまってよくないので、
ほどほどをこころがけて、ということです。
あんまりスイカ好きではないわたくしですが、
今年は食養生と思って、少しずつ食べています。
そんな猛暑のなか、昨日は思い切って名古屋へ行ってきました。
と申しますのも、長年、作品を追いかけ続けている奈良美智さんの展覧会が、
15日から、豊田市美術館で開かれているのです。
もう20年来の大ファンで、占庭の店内にもフライヤーやポストカード、
グッズ類をあれこれ貼ったり、置いたりしていまして、
わたしのこころの癒しとなっています。
国内では、5年前に青森であった2つの展覧会以来の大きな展覧会で、
個人所蔵の作品や、海外の美術館所蔵の作品も集められた、
奈良さんの数十年をたどるような展示となっている、
ということで、とにかく早く見に行きたくて。
世界中に散らばった作品をひとつひとつ集めて借り受けるのは、
予想以上に大変な作業だったらしく、この機会を逃すと、
もう二度と見られないものもたくさんあるようなのです。
だから、見ておかなくちゃ。
という気持ちももちろんありますが、それ以上に、
以前に、日本のあちこちの会場で見たあの作品に再会したい!
という思いの方が強くて。
再会したときに、わたしはどう感じるのだろうか。
どんな思いが湧いてくるのだろうか。
という興味もありました。
豊田市美術館は、さすがトヨタのお膝元らしく、車での来客用に造られている、
と聞いてはいたのですが、ひとりで訪れるのにはやっぱバスかなー
という結論に達しまして(経済的理由で)。
京都 ⇔ 名古屋は、高速バスで約2時間半。
往復切符ならば4,000円ほどと、お安いんですよ。
が、名古屋から豊田市までが約1時間と、予想外に遠かったんですけれどね。
でもま、初めて名鉄にも乗って、楽しかったです。
窓にカーテンがかかっていて、おっと思いました。
普通列車でカーテンって珍しいですよね?
豊田市駅からはタクシーに乗ります。
というのも、美術館まで乗れば、200円の入館割引券をもらえると知っていたので。
徒歩15分くらいの距離ですが、この割引制度もあり、往きは上り坂でもあるし、
タクシーがオススメです。(690円でした)
タクシーは裏口につけてくれるので、すぐに建物の中には入れますが、
建物自体の美しさは、表玄関から見てこそです。
そう。自家用車の駐車場があるのは表玄関側なのですね。
ここでもクルマ社会の地域性を感じます。
表玄関側は、スカっと開けた気持ちのよい空間で、実にさわやかです。
近づくとこんな感じ。
展示室は2フロアにわたっていて、贅沢なほど広々としています。
天井も高く、圧迫感や閉塞感がなく、伸び伸びとしながらも、
まったくスカスカはしていなくて。
しかもそれが、実は綿密に計算されていたのです、
みたいな感じもなくて、とにかくナチュラルで心地いいのです。
ずっと前に見た作品、見たい見たいと思いながら見られなかった作品、
そして新作と、どの展示室でも、なんか胸いっぱいになってしまって。
小屋のなかでは、じーーーっと動けなくなってしまって、係の人に、
「あのー、そろそろよろしいでしょうか?」と退出を促されてしまいました。
スミマセン。
今回、奈良さんの作品の変遷をたどるような展示を見て、
改めて、奈良さんが「表現する」「制作を続ける」ということと、
どれだけ真摯に向き合い、闘ってこられたのか、が胸に迫りました。
きっと、作品の意味や、創り出すことの難しさ、技術的なことなどは、
わたしは全然わかってはいないのだろうけれど、
それでも感じるものはたくさんあって。
以前に触れた作品と再会することで、自分の過去とも再会するような、
そんな気持ちにもなりました。
同じ作家の作品を作者と同じだけの時間を経て見ていける、というのは、
同時代に生きている者の特権です。
よくぞ奈良美智さんと同世代に生まれけり、と思うほど。
それくらい長年好きでいられるって、しあわせなことだなと思います。
帰り道は駅まで歩いたのですが、熱風が足元から吹き上がってくるようで、
ほんとにもう、なんちゅう暑さだろうかとクラクラしました。
こんな暑さのなかを陸上競技とか、ましてやマラソンとか、
選手も観客も命がけやん、と3年後のオリンピックが心配にもなります。
そして、汗だくでたどり着いた駅前で遅い昼食を。
せっかくなので、名古屋っぽいものをと考え、迷って結局、きしめんにしました。
おいしかったです。
豊田市美術館では、奈良さんの展覧会の後にジャコメッティ展があるそうで、
そちらも見てみたいなあ。
その頃ならば、駅から歩いてもいいかな。
もう道も覚えたことですし。