京都 四条高倉の占庭から

シングルマザーのみなさんへ

今朝もしとしと雨の中、行列が伸びていました。

『ONE PIECE』いまでも人気なんですねぇ。

スタンプラリーって、ちょっと御朱印集めに似ていますね。

 

 

今日はシングルマザーの子育てについて、お話ししたいのです。

死別、離婚、未婚でママになった人など、シングルマザーもいろいろです。

 

そして、おひとりおひとりが、経済的、家庭的な状況も違いますし、

周囲に頼れる友人・知人がいてくれるかどうかでも、生活は変わってきますので、

母子家庭といっても、ほんとうにさまざまな環境での子育てとなります。

 

占庭のお客さまにも、シングルマザーの方はたくさんいらっしゃいます。

お仕事をもって忙しく働いてらっしゃる方もあれば、

心身の具合が悪く、働くこともままならない方もおられます。

みなさん、それぞれに悩みがあり、将来に対する不安もおありです。

けれども、共通しているのは、お子さんの幸福を願う気持ち。

 

 健やかに成長してほしい。

 いつか一人前の社会人として巣立っていってほしい。

 

母子家庭であるからこそ、そんなごくふつうの願いを

より強く感じることだってあると思うのです。

両親揃っていないことで、子が被る不利益、というのは、

昔に比べれば目減りしてはいるでしょうけれども、

いまの時代でも、やっぱりそれは残っています。

子どもは親を選べませんから、子にしてみればなんとも不条理なことだと思います。

親御さんにしてみれば、それが不憫でならず、申し訳なくも思うのですよね。

わたしもひとりで子どもを育てていたので、よくわかります。

 

だからこそ、まじめなお母さんであればあるほど、

「ちゃんと育てよう」と思ってしまわれます。

「片親だからあんな風になったんだ」と世間に後ろ指さされることのないよう、

しっかり勉強させて、道を外すことのないよう、キチンとしつけなければ。

って。

そのために、お母さん自身の幸せや、楽しみは後回しにし、

ともかく、この子を真っ当に育て上げなければ!

と必死でがんばってらっしゃる方と、たくさんお会いしてきました。

 

えらいなあ。

がんばってはるなあ。

と、そんなにがんばらなかった、元母子家庭の母としましては、

頭の下がる思いです。

が、同時にちょっと心配にもなったりします。

 

「片親だからこうなった」と言われないために「ちゃんとした子に育てる」

というのは、ほんとうにお子さんのためになっているのだろうか?

という気もするからです。

もちろん、それは子を思えばこその親心には違いないのですが、

そこに、片親にしてしまった親側の意地、みたいなものが

感じられることもあるからなんですね。

もしかしたら、それは、お子さんにとっては迷惑な場合もあるかもしれないなあ、

と思ったりもするのです。

 

勉強が好きな子や、学力を伸ばすことで将来につなげていけるお子さんであれば、

高等教育を受けられるよう、親御さんががんばるのは理にかなっています。

けれども、技術を活かした職人さんに憧れたり、商売をしてみたい子や、

毎日同じことを同じようにこなしていく作業が合っているお子さんだって、

あるはずなんです。

他のことに興味があったり、本人が希望していないのに、

ともかく大学までは卒業させないと!

と、お子さんを叱咤激励するのはどうなのでしょうね。

親側の目標があり、親として精一杯の努力をし、それを達成して、

「できるだけのことはした」

と責任を果たした気持ちになるのは、とてもよくわかるのですが、

それは親側の自己満足でしかない、ということだってあるのでは? 

と思ってしまうのです。

 

えっと、なんだか厳しい言い方になってごめんなさい。

何が言いたいのかといいますと、

子どもの成長を楽しみにするのと、子どもの成長を親の目標にするのは違う、

ってことなんです。

 

わたしがお話をお聴きするシングルマザーの方は、本当にみなさん一生懸命で、

とてもいいお母さんが多いです。

必死で働いて、必死で育てて。

それを見て育つお子さんは、きっと親御さんに感謝されるだろうと思います。

けれども、子どもっていうのは、案外大人なんですよ。

自分の楽しみや時間を後回しにして、子どもに尽くす母親を見て、

「お母さんはわたしのために、自分を犠牲にしていた」というような、

妙な罪悪感を抱く場合も少なからずあるんですね。

 

だから、お母さんの人生、お子さんの人生は別のものとして、

分けて考えてみてください。

それぞれが、それぞれで人生を選び、努力もし、楽しみもする。

そして、お互いの人生がよりよいものになるよう、応援したり、助け合ったりして、

協力しながら見守っていくスタンスでいたらよいのではないかと考えます。

母対子ではあるのは間違いないのですが、その前に、人対人なんです。

 

また、ちゃんと育てようと思いすぎると、支配につながることもあります。

問題のない、他人に迷惑をかけない、後ろ指さされない子育てを目指すより、

持って生まれたお子さんの個性を活かし、伸ばすことに注力し、

おもしろがって子育てをなさっていただきたいです。

そして、お母さん自身の楽しみも後回しばかりにしないでほしいなあ。

と、若いシングルマザーの方へお伝えしたいのです。