京都 四条高倉の占庭から

耳の奥の「毛」

ゴールデンウィークも今日までですね。

我が家も9連休のヒトがおりまして、こっちまで曜日感覚がくるってしまい、

いったい今日は何曜日? 何のゴミの日? と毎日確認する始末でありました。

明日からまた日常が戻ってくるかと思うと、ホッとするわけですが、

日常に戻りたくない人も、たくさんたくさんおられるのでしょうねー

 

ゴールデンウィークも何ら関係なく、いつも通りに出勤していた今朝、

バスで後ろの座席に座っていた若い女性のイヤホンから、

盛大な音漏れが聞こえてきました。

背中を向けているわたしにまで漏れてくるほどの音なので、

さぞかし爆音で聴いてらしたんだと思われます。

 

以前に、音が聞こえるのは、耳の中に音を感じる「毛」のようなものがあって、

それらが音を感知し、音を認識できるのだと読みました。

で、その「毛」は大きな音を連続して聞いていると、

壊れたり、抜けたりしてしまうのだそうで。

おまけに、その損なわれた細胞は再生しないのだというのです。

外へ近いところは高い音を、奥の方は低い音を感知する細胞があるそうで、

外へ近いところの方が、音に曝されやすいので損傷しやすい。

なので、老化とともに、高い音から聴こえにくくなってしまう、

ということなのだとか。

これを読んだとき、

騒音のひどい職場で長く働いていると、年を取ったときに難聴になりやすい、

と聞いていたことは、そういうことだったのかー!

と、非常に納得できる答えを得た気持ちになりました。

大きな音から耳を守ってやらねばならないなあ、とも。

 

わたしたち(50代)世代が若いころは、音楽やゲーム機を持ち歩いて、

常にイヤホンで聴く、という習慣はありませんでした。

というか、そういう機器がなかったですしね。

でも、いまの若い人たちは、それが当たり前の時代に育ってこられています。

それが耳に大きな負担となっている、なんてことはあまり知られていないし、

体感もされていないでしょう。

音漏れするほどの大きな音を聴き続けるのは、周りに迷惑とかってことよりも、

自分の身体の将来にダメージを与えているということを知って、控え目にする、

ってことの方がよほど大事かと思います。

 

先日、ラジオで、ある有名ミュージシャンの方が、

「ライブツアーの最中とか、毎日のように大きな音を聴き続けるので、

 仕事以外に音楽を聴きたい、という気持ちにならなくなるんです。

 爆音に曝され続けると耳が死んだようになるので、

 ちょっと無音に身を置きたいというか、耳を休ませたい、

 という気持ちになって。」

と話してらっしゃいました。

 

「だから、ライブに音を和らげる耳栓を着けてこられているお客さんを見ても、

 イヤな気持ちになんてならないです。

 ああ、耳を大事にされてるんだなと思うくらいなので、

 遠慮なく着けてください。」

とも。

 

これ、わかるんですよねー

ライブからの帰り道に、耳がキーーーーン! っていうてることありますもの。

最近は、

 あ、耳の毛が傷んだかも・・・・

とか、つい考えてしまいます。

 

電車の中でイヤホンを着けているたくさんの人たちを見ていると、

いまの若い人たちが老人になるころには、

みんなイヤホン型の補聴器を着けてたりするんちゃうやろか? 

と思ってゾッとしてしまったりするんですけど、

考えてみれば、40年後、50年後には、補聴器も進化してるやろし、

もしかしたらその感覚毛も移植が可能になったり、

もっと画期的な治療法が見つかってたりしそうだな、と思い直したりもして。

 

耳だけじゃなく、メガネが要らない高性能な眼とか、

いつまでも白く美しく、虫歯にならない歯とか、

花粉などの有害物質はシャットアウトする鼻とか、

何それサイボーグ? みたいなカラダが標準になる日も来るのかもしれないなあ。

 

なんてことをつらつら考えながら、バスを降りたのでありました。

 

ええ、本日もありがたいことに実に平和です。

 

 

※ 一応、参考になる記事を貼っておきますね。

  ご興味のある方はどうぞ。

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