今朝、通勤途上で何軒か、引っ越し中のお家を見ました。
いまから4月上旬にかけてはお引っ越しのハイシーズンですもんね。
春休みになって、休日の朝の電車も混んでいます。
こちらは、これから桜の開花とともに観光のハイシーズンへと向かいます。
京都の大混雑を思うと、ちょっと気が重くもなってしまうんですけどね。
そうは言いながらも、木屋町の桜並木のうつくしさは毎年たのしみです。
最近、何人かのお客さまと同じようなお話をしたなあ、と思うことがあり、
今日はそれを書いておこうと思います。
職場や、町内会、PTAなど、関わらずにいられない人間関係のなかに、
他人を傷つける不用意な発言をする人、自分本位な人、攻撃的な人、
マウンティング気質の人、都合よくコントロールしようとする人など、
ほんとなら口もききたくないような人が混じっていることってありますよね。
もちろん、それは血縁関係でも同様です。
ハッキリ言いたいけれど、言うわけにはいかない。
モメると余計にややこしくなるのが目に見えている。
ひとを傷つけるのも、自分が傷つくのも怖い。
ごくふつうに社会生活を送ろうとすると、そういうストッパーが生まれます。
でも、でも、これはあまりにも理不尽だ!
という気持ちとがせめぎ合って、悩んだり、心身を傷めたりしてしまわれます。
つらい。
以前、そういうときに、ほんとはこんなやり方はよくないけれど、
心身を守るためにはこの手も使っていいと思う、と、
心の中に空っぽのバケツをひとつ用意しておこう、という提案をしました。
これと同じように、
ほんとうは、そんな気持ちでひとを見たりしてはいけない、いけないよ、、、
(「まんぷく」の真一さんの声でどうぞ)
と思いはするのですが、もうひとつの奥の手、
破壊力のある人から心身を守る心持ちを提案したいのです。
破壊力のある人というのは、だいたい声が大きくて、影響力が強いです。
そして、周りの人たちに、
「この人に逆らうとめんどくさい」
と思わせることで、好き勝手にふるまえる環境をゲットするわけですね。
もうその時点で、破壊力さんの勝ち、みたいなものです。
そうなってしまってから時間が経てば経つほど、状況は変えにくくなり、
破壊力さんはますます唯我独尊になり、どんどん扱いにくい人になり、
アンタッチャブルな存在となってしまうのです。
触れたくない、関わりたくない。
けれども、どうしても関わらざるを得ない。
時には恐怖心さえ覚えることもあるかもしれません。
そこまでいったら、上司や経営者、場合によっては法的機関に訴えねばならない、
というところまで発展したりすることもあるでしょう。
けれども、そこまでは切羽詰っていない。
なんとか折り合いをつけてやっていくしかない、という場合ですね、
空っぽのバケツも多少有効ではありますが、これも使ってみてください。
「檻の中のオランウータンを観察する」です。
まず、相手を道理のわかった人間と思わないことです。
これは、相手にも失礼ですが、オランウータンにもかなり失礼なんです。
ごめんなさい。
常人ならざる破壊力を持つ相手は、
並外れた体格とパワーを持つオランウータンである、と定義します。
そして、そのひとは檻の中にいる、として、明らかな線引きをします。
傍若無人な言動をする相手を檻の外側から、
「ああ、今日も暴れてるなあ」
と観察する気持ちで見てほしいのです。
いきなりつかみかかってくることは、さすがにないと思うので、
そこに檻の柵なり、仕切り板なりがあると思いましょう。
オランウータンが暴れるには、オランウータンなりの理由や理屈があるのでしょう。
でも、そこまで慮る必要はありません。(これも失礼ですね)
檻の中で暴れるオランウータンを眺める、観察する、だけでいいのです。
そうすると、ひどい暴れ具合を見ても、
うわあ、すごいなあ、、、、
と、どこか他人事として見られるようになってきます。
恐怖心からパニックになったり、身を守るためにひたすらガマンする、
という気持ちから、ちょっと距離を取れるようになりはしませんでしょうか?
念のために申しますが、わたしはオランウータンを貶めているのではないですし、
オランウータンを嫌いでもありません。
人ではない、ちょっと畏怖の念を抱く存在として仮に登場してもらっています。
ですので、ゴリラでもゴジラでも可です。
ゴリラがドコドコドコドコと胸を叩くのを見て、恐れるのではなく、
おお、今日も見事な叩きっぷり!
と観察日記に書きこむような気持ちになってみましょう。
みたいなイメージで、どうかご理解ください。
ということで、破壊力さんに自分を壊されそうになったときには、心の中で、
「檻の中のオランウータンを観察する」を発動してもいいと思うのです。
もちろん、それで問題が解決するわけではありません。
心を守り、心身を傷めないための方便です。
方便なので、ちょっと人でなしな方法ではありますが、
許していただければと思います。