京都 四条高倉の占庭から

スーパー歌舞伎Ⅱ 期間限定無料配信

店舗休業して2週間。

毎日どう過ごしているかというと、まず家事ですね。

元々、わたしくらい専業主婦に向いてる人間はいないんじゃないか、

(ああ、それなのに専業主婦にはなれないサダメ、、、)

と思ってるくらいなので、家にずっといるのは何ら問題ありません。

でもね、それって、いつでも出ようと思えば外に出られて、

行こうと思えば行きたいところへ行ける、っていう前提があるからなのだ、

ということを痛感しています。

実際に、行くかどうかは別で、行きたいなあ、明日行ってみよかなあ、

と楽しみにできることが、自由ってことやったんですね。

 

なんでもそうなのでしょうけれど、その立場になって、経験して初めて、

痛いことが痛いとわかるわけで。

来月の店賃をどうしようか、この状況で何か月辛抱するべきか、

という、もっと切迫した問題があるわけですが、いますぐの判断は難しい。

それならば、とりあえず新しいレシピを試してみようか、という毎日で。

 

もちろん家事だけじゃなく、仕事もやっています!

今月の、電話、メールでのご依頼は、全員、リピーターさんでした。

うれしいです。

こんな時に思い出して、連絡をしてきてくださるってね。

とてもありがたいです。

話していると、電話の向こうで笑ってらっしゃるお客さまの笑顔が浮かんで、

わたしのほうが癒されます。

お送りしたメールに、丁寧なご返信をいだだいて、ほっとします。

対面での占いが何よりも好きではありますが、電話やメールもいいものですね。

でもそれは、いま時間がたっぷりあって、ゆっくり向かい合える、

という状況だからよけいにそう思えるのかもしれません。

いずれにしても、お客さまあっての占庭です。

いつもそう思ってきましたが、その意味が一層、沁みます。

 

今朝、SNSでこちらが期間限定で無料配信されているのを知りました。

スーパー歌舞伎Ⅱ『新版 オグリ』市川猿之助 フルバージョン @京都南座

https://www.youtube.com/watch?v=npTPD_xcAsE&feature=youtu.be&fbclid=IwAR0GDPmm_XYnFKI0L6G3LCZJpWhVfmHE0uHFDJPhiWqnDV1RA5zPc1IL7sQ

 

街角でポスターを見ていて、おもしろそうだなあ、と興味はあったのですが、

他の舞台と同じように、上演中止になりました。

歌舞伎もスーパー歌舞伎も一度は観てみたいけれど、チケット代も結構するし、

なかなか、えいっと腰が上がらずにいたので、この無料配信はうれしい!

ほくほくと見始めました。

 

京都南座バージョンということで、ところどころにご当地ぽい台詞も出てきます。

デジタルとアナログのコントラストがたまりません。

伝統芸でありながら、サービス精神あふれるエンターテイメント。

風刺も効いていて、ぐいぐい引き込まれます。

が、無料で観られる、とほくほくしていた気持ちは、見ている内に、

どんどん萎んでいきました。

ああ、ここで、どっと笑いが起きたな、ここでうわーっと拍手がわいたろうな、

ここはすすり泣きが聞こえただろうな、と思わずにいられないんですよ。

フィナーレは、観客も一体になって、めちゃくちゃ盛り上がったに違いない。

「無観客」のつらさ、痛さとはこういうことか、と実感しました。

もう、残念で残念で。

素晴らしければ素晴らしいほど、その無念さが胸に迫ります。

もちろん、それは、タダで観せてもらっている者の感想であって、

演じている方、つくってきた方、裏方、劇場の関係者、みなさんの痛みは、

そのはるか上にあるわけです。

そんなことが、いま日本中、世界中で起こっている。

その一端に触れた気持ちになりました。

こうして発信してくださった思いをちゃんと受け止めないと、ですね。

 

期間限定配信は、19(日)まで。

絢爛豪華な芸の異世界を堪能できますよ。