京都 四条高倉の占庭から

テレワークはつらいよ

今年は猛暑ながら台風の発生が少なかったんですが、

9号に続き10号と、大きな台風が上陸するので心配です。

一昨年、関西に上陸した台風があまりにも怖くてですね、

早めに養生をしておく大切さを身に沁みて知りました。

みなさま、週末はどうぞご用心くださいね。

 

先日、リモート占いでお話していたリピーターさんが、

「なんか仕事のやる気が出なくて、気持ちが落ちてしょうがないんです。

 もう辞めてもいいや、なんて気持ちも湧いてきて。

 特に何があったわけでもないんですけど」

とおっしゃるので、そんな年だったっけ? と今年の運気を観てみました。

けれど、メンタルに影響がありそうな星が来ているわけではなく、

むしろがんばれる年回りだったので、煮詰まるようなことはないはずなんだけど、

なぜ? と考え、思いついて訊ねてみたのが、

「最近、しょーもない雑談とかしてますか?」でした。

タロットの生徒さんからも、テレワークのしんどさをお聞きしていて、

ひたすらお家でお仕事っていうのも大変だなあ、と感じていたところだったので。

 

通勤しなくていい、というのは、誰しも「楽じゃん!」と思いますし、

周りに気を遣わずに、自分のペースで仕事ができるのは気楽そう、とも思います。

満員電車で消耗している人、困難な人間関係を抱えながら働いてらっしゃる人、

また、いまの時代もまだあるのかどうかわかりませんが、

お茶くみや、掃除などの雑務に追われることが多い人など、

テレワークになれば、それらが一掃できるようなお気持ちになったかもしれません。

中には「あの人(上司・同僚・部下)の顔を見なくて済むだけで天国だ!」

という方もおられるかもしれませんね。

というような、それらのメリットもあるんですよね。

 

じゃあ、デメリットは何なのか?

やっぱり意思疎通がしにくいとか、結局は出勤もしなくてはいけなくもなるとか、

っていう、直接仕事に関わることもあります。

けれど、テレワークが始まってからの予想外なダメージは、

《 何ということのないコミュニケーションがなくなった 》

ということだったようなのです。

 

特にひとり暮らしの方は、誰とも喋らない日が続いたりします。

仕事に関する連絡は、メールが主で、電話でも必要最小限のことになっていきます。

いま別に話す必要のない、どうでもいい話をわざわざメールや電話でする、

なんてことはまずありません。

これまでなら、朝夕の挨拶ついでに、暑いねとか、昨日電車でさあ~ とか、

意識していない日常のちょっとしたやりとりがあったわけですよ。

いわゆるムダ話ですね。

それらは仕事には関係ないし、なくてもいいようなもの、と思われていました。

煩わしさだってあったろうそれが、実はとてもいいすき間だったのだ、

ということがなくなってみてわかった、というお話でした。

 

ひとり暮らしでなく、家族のいる人であれば、

テレビを見ながらの雑談とかもできるでしょ、と思われるかもしれません。

会話に関しては、たしかにそう。

けれども、家族がいたらいたで、いままでとは違う長い時間を

共に過ごすことになり、さらに社会的な「仕事」が生活に混じってきます。

その上、自粛が原則なので、のびのびもできず、気持ちもふさぎがち。

となると、周りに対して心の余裕も持てなくなり、ギスギスもしてくるんですよねー

ひとりでもつらいし、家族がいてもつらい。

いずれにしても、日常が一変してしまったことに対する戸惑い、

先行きの見えない不安など、仕事以外のストレスが乗っかってきます。

 

まじめな人は誰の目もない自宅だからこそ、サボってはいけない、

と自分を追い込んでしまうし、

仕事が進まなかった日は、ムダに過ごしてしまった気がして落ち込んだりもします。

けれどね、職場へ出勤して働いていたときに、就業時間内、一切無駄口をきかず、

ひたすら集中して仕事はしてらっしゃらなかったはずなんです。

あんまり仕事が進まなかったからといって、一日の終わりに罪悪感に苛まれる、

なんてこともなかったでしょう。

人はロボットじゃないから、ずうっと同じ集中力で休みなく働き続けることは

できないし、体や心の調子に左右されることだってあって当然です。

気分転換をしたり、たまにはサボったりするからこそがんばれる、

ってところもあるんですよね。

 

いまする必要はないけど、なんとなくしてる会話が、大事だったこと、

そして、それがとてもいい仕事をしてた、ってこと。

たまの飲み会だって、めんどくさいなー と思うこともあったけど、

やっぱり「できない」となると、それは貴重な時間だったとも思えるそう。

なるほどなあ。

組織で働く、というのは、そういった人間関係についてまわる良し悪しと

折り合いをつけながら、その場での役割を果たしていく、ってことなんですねぇ。

 

先のお客さまは、

友だちに誘われて、ええ~~~、、、と思いながらやってみたオンラインゲームが

すごくいい気分転換になった、

とおっしゃっていました。

そういう一見、生産性のなさそうな、時間のムダと言われたらそうかも、

っていうようなことを楽しむ、というのがいいんですね。

 

ひとりでお店をしていて、仕事の大半が雑談みたいなわたしには想像できない

コミュニケーションのツボを教わったのでした。