京都 四条高倉の占庭から

取扱説明書を読んでみよう

長年愛用してきたヘンケルの包丁が、どうにもこうにも切れなくなり、

もはや「切れ味が悪すぎて危険」の域に達してしまいました。

もう30年以上使っていて、いつものように砥いでも、

切れ味が戻らなくなってしまったんですよねぇ。

で、折よくやってきたカタログでチョイスの中から包丁を選びました。

黒い木の柄の、いかにも包丁らしい佇まいのものです。

 

以前、妹が、息子の初月給で包丁をプレゼントしてもらい、

あまりの切れ味の良さに感動して、

「包丁って、あんなに切れるもんじゃったんじゃな!もうビックリ!

 今までわたしは人参を切ってたんじゃなかったんよ。

 あれは割ってたんよ!」

と興奮気味に電話してきました。

非常にわかりやすい説明で、なるほどと思いました。

我が家の包丁も、人参を割ってるに近いなあと思いながら。

それもあって、ウチもそろそろ包丁を新調すべきかと考えていたんですね。

 

先日、注文の包丁が届きました。

簡素な箱の中には、説明書が同封されていました。

実はわたくし、結構、説明書が好きなんです。

電化製品を買っても、まずはひと通り説明書を読みたい。

「ご使用になる前に」から「こんなことが起こったら」まで、全部読みたい。

分厚い車の説明書だって全部読みたいんですねぇ。

ええ、めっちゃ時間かかりますよー

 

で、この包丁の説明書。

包丁にどんな説明が要るんだろうかと思いますが、

昨今はなんでもかんでもクレーム問題にしてしまう人が増えているので、

その対応策でもあるんでしょう。

読んでみました。

そんなん当たり前やん~ということから、それわざわざ説明すること?やら、

うん、それはしたらあかんな、ということまで、いろいろ書いてありました。

一番、えっ!と思った文章はこれでした。

 

 この包丁は調理を目的とした物です。

 調理の目的以外には使用しないでください。

 

そらそうや!!

もちろんそのために求めたものですよ。

他に何がありますか?

大工道具にはしませんし、誰かを脅したりもしません。

ましてや凶器になんて・・・・

 

と、この一文だけでも、かなり心を刺激されます。

大体、包丁を調理以外の目的で使おうなんて輩は、

取扱説明書なんて読みませんってば!

と誰かに訴えたいキモチにすらなります。

 

もう一文気になったのがこちら。

 

 包丁の背に、指や手のひらを直接当てて力を入れないでください。

 背の部分の角部で指や手のひらを傷つける恐れがあります。

 カボチャなど硬いものを切る時は、

 背に布を当てるか手袋をはめて切ってください。

 

うーん。そこまではしないな。

布を当てるか手袋なんて、その方が、むしろ滑って危なそうでしょ。

けど、カボチャを切っていてケガをした女優さんが、

自殺未遂と騒がれたのは記憶に新しいところで、妙にリアルな感じがしました。

 

これはよくわからなかった一文。

 

 刀身を直接火であぶったり、近づけたりしないでください。

 焼なまりや破損の原因になります。

 

これは一体、どういう状況なのかしら。

えっと、何のために??

と、つらつら考えてみて思いついたのは、

トマトを直火であぶって皮をむくときに、串や割り箸に刺さずに、

包丁の先に刺して、あぶるとか?

くらいしかないんですよねぇ。

まあ、確かに包丁は焦げたり、燃えたりしないので、あるのかもしれませんが、

わざわざ注意書きに入れるほどメジャーな行為なんでしょうかねー

 

いやあ、ペラっとしたB6サイズの紙一枚で、だいぶ楽しませていただきました。

やっぱりおもしろいわ~ 説明書。