京都 四条高倉の占庭から

両親の不和

ちょっと空気が入れ替わった気がしますね。

いつまでこんなに暑いんや~っていうのからは、さすがにもう抜けましたかね。

 

 

占いのお客さまと話していて、最後に、他に聞いておきたいことはないですか?

と尋ねるのですが、その時、よく出てくる心配事が、両親が不仲であるということ。

これからどうなるのだろうという不安と、子どもとして何かできることはないのか、

と心を痛めてらっしゃいます。

犬も食わない夫婦喧嘩なら、その内元に戻るのでしょうけれど、

別居状態とか、会話もないとかいう状況になると、なかなか修復は難しい。

 

夫婦喧嘩っていうのはイヤなもので、どんなに幼い子どもさんでも、

親同士がケンカしているのを見るのはつらく、やめてほしいと思うものです。

悲しいんですね。

それが、段々と成長してくると、ケンカしている両親のどちらが間違っているのか、

どちらに原因があるのか、を考えるようになります。

そこさえわかれば、修正もできるのではないかと思うからですね。

子どもなりに、なんとかしたいと思うわけです。

で、大人になると、この人たちはこのままでいいのか?

別れた方が幸せなんじゃないか?と考えるようにもなってきます。

いずれにしても、イヤな気持ち、悲しい気持ちを持ちながらも、

子どもとしてどうすればよいのか、傷つきながら悩んではるんですよ。

親が思う以上に。

 

せつないなあと思います。

けれども、夫婦の問題は、夫婦でしか解決できるものではないと思います。

もちろん、子どもの言動で両親に変化がある場合もありますが、

根本的に夫婦間の状況を好転できるというのは、無理なんじゃないかと。

何でも子どもに相談する親であっても、夫婦のこと、全部さらけ出しはしないし、

自分の非については、敢えて話すこともないはずです。

子どもの知らない、夫婦の間に積み上がってきたものはたくさんあるでしょう。

うまくいかなくなった原因が明らかにわかることもあれば、

降り積もったものが耐えきれなくなる場合もあるし、

簡単に、どちらかの何が悪い。だからそれを改善すればなんとかなる。とは

いきませんよね。

 

これが家族全体の問題ならば、子どもも参加して話し合うことで、

状況を変えることは可能かもしれません。

けれども、夫婦のことは、やっぱり夫婦にしかわからないと思うんです。

それをいくら実の子どもというても、なんとかできはしないだろうと思います。

 

いつも心を痛めている子ども側の方のお話を聞くたびに、

「子どものあなたがどうにかできる問題ではないですよ。

 これは夫婦の問題なんだから、夫婦でしか決着はつけられないこと。

 それを見守ったり、支えたり、話を聞いたりはできるけれど、

 それは家族としてできることで、

 夫婦問題を子どもの立場で何とかしたいとは考えない方がいいと思う」

とお話しします。

もしかしたら、わたしのこの考えは間違っているかもしれないけれど、

そんな風に考える子どもさんは、夫婦仲がこじれていることで、

自分を責めたりもなさるんですね。

それは、かわいそうすぎる。

 

親御さんが子どもさんに仲介を頼むとか、話し合いに立ち会ってほしいと

おっしゃった時には、協力してあげてほしいと思いますが、

子どもの側から、あれこれ考え、対策するというのは、

なかなかうまくいくとは思えませんしね。

それに、やっぱり夫婦の問題は、当人同士で決着するべきだと思うので。

 

夫婦間の不和と言いましても、これまた千差万別で、いろんな問題があります。

他人には窺い知れない隠れた部分もあり、長い間の軋轢もありましょう。

一概に、どっちも悪い、という喧嘩両成敗みたいなわけにもいきません。

それも踏まえて、両親の不和について子どもさんが責任を感じたりすることはない、

ということだけは伝えたいと思うのです。