京都 四条高倉の占庭から

子どもはのびのびと、痛い目にもあわせましょう

今朝の京阪電車は、三連休初日としては空いていたような気がします。

あちこちで、運動会や秋祭りも行われているようですし、

そういう影響もあるのかな。

 

 

今年の夏はスローに始まって、その後灼熱地獄と化したわけですが、

そのものすごい暑さの頃の話を聞きまして。

中学のサッカー部の子たちが、炎天下で練習が始まる前に、

数人でゴールを移動させようと持ち上げた時、その惨事は起きたのです。

太陽に熱せられて熱々になっていた鉄製のゴールを

ガッチリ握って持ち上げたものだから、両手のひらにひどい火傷を

負ってしまったのだそうです。

重傷な子と軽傷な子がいたそうなのですが、早く手を離した子は

軽傷で済んだのでしょう。

みんなでヨイショと持ち上げた時って、パッと離すのも勇気が要ります。

長くギュッと握りしめてた子が重傷になってしまったのでしょうね。

 

そこに顧問の先生がいたのかどうかはわかりませんが、たとえ見ていても、

火傷するほどゴールが熱くなってるから気をつけるように、

と注意するところまでは、気が回らなかったろうなあと思います。

 

しかし、両手のひらにひどい火傷となると、非常に不自由だし、

夏場の火傷は治りにくいのではないかと思うし、かわいそうでなりません。

そう言えば、昔、真夏の鉄棒やうんていは、アッチッチやったなあと

思い出しました。

 

ウチの息子も小学4年生の時、学校で火傷をしたことがありました。

理科で、アルコールランプを使った実験をした時のこと。

ビーカーやフラスコをアルコールランプで熱するわけですが、その際、

アルコールランプの上部にフラスコなどを固定するために、

鉄製のスタンドを使いますよね。

当然、その鉄製のスタンドも熱くなります。

で、担任の先生は、片付けをする時に、

「輪っかの部分は特に熱くなっているので、そのまま触らず、冷めたかどうか確認

してから片付けるように」と注意されたんですね。

 

で、ウチの息子はその輪っかになった部分が、もう触っても大丈夫なくらい冷めた

かどうか、をなぜか自分のほっぺたにくっつけて確かめようとしたらしくて。

すると、まだ全然冷めてなかったらしく、息子はほっぺたに半円形の火傷を負って

しまったのです。

もちろん、ベタっとくっつけたわけではなく、高熱のままだったわけでもないので、

火傷というても大したことはありません。

が、くっきり半円形の跡はついていたんですね。

 

担任の先生は大慌てで冷やして保健室へ連れて行ってくださり、

そのいきさつと説明のため、自宅に電話がありました。

大したことはないというのはわかったし、なんでほっぺたなのかがおかしくて、

わたしは、つい笑ってしまいました。

けれども、先生にしてみれば、注意をせよと言うているにも関わらず、

手で確かめずほっぺで確かめようとして火傷を負ったことで、

保護者に謝りの電話をかけねばならない、

というのが非常に不本意で腹立たしかったのでしょう。

しかも母親は笑ってるし。

「ほっぺたで確かめてはいけませんと注意しなかったわたしのミスかも

しれませんが、わたしも長年教師をやってきましたが、

今までほっぺで確かめようとした生徒は一人もいなかったものですから」

と実にいまいましそうにおっしゃっていました。

 

先生と生徒でも、相性がいい・悪いってこと、あるんですよねぇ。

この担任の先生とは、どうも相性が悪かったみたいです。

そんなことは、よくあることなのでしょう。

 

そういう時は、大人の先生に子どもを合わせさせるのではなく、

子どもはそのままでよい。今年1年、担任に嫌われてもいいや。

と、親がまず肚をくくればよいと思うんですよ。

先生に嫌われないために、子どもを矯正するなんておかしいですもん。

もちろん、小学校なんて、担任に嫌われたら成績はガタ落ちです。

けどね、小学校の時の成績なんてのは、将来にそれほど響きません。

それよりかは、担任に遠慮したり、顔色を窺ったり、無理を強いる方が、

よっぽど子どもの将来に響くと思うんですよねー

 

子どもはできるだけ、のびのび育ててあげてください。

小さい内から、うまく立ち回ることができても、それは社会性を身に着けた

ってことではないと思いますしね。

少々はみ出てて問題があっても、中・高・大と進む内に、

自然に学んでいくものです。

学校の型にぴっちりはまって問題のない子は、先生も親も手がかからず

ラクチンです。

でも、それは社会性が高いというのとは、ちょっと違いますよね。

 

「どうして、みんなと同じように同じことができないのでしょう?

 義務教育ではそれが基本中の基本ですから」

と、件の担任の先生からは、個人面談のたびに詰め寄られました。

が、わたしはその場では、ハイハイと聞き流して、子どもには、

「どうも先生はあんたのことが気に入らんらしいけど、気にしなくていい。

先生は大人やし、教えるプロなんやから、そこは大人にガマンしてもらお。

けど、他のお友だちに迷惑がかかるのはあかんから、時間に遅れないように

準備をするとかは、ちゃんとやろうな」

と話していました。

小学校6年間の内、なんと半分の3年間をその担任に当たってしまったので、

その間は息子自身も、それなりのストレスはあったと思います。

けどまあ、それも社会勉強ですよね。

生きてりゃストレスにさらされることは、あって当然のことですし。

 

ほっぺについた三日月型の火傷の跡は、しばらくしたら消えました。

消えるまでの間、顔を見るたびに、脱力もしたけど、

あほやなあ。おもしろい子やなあと、おかしくて。

今でも思い出しては、ふふと笑ってしまいます。