京都 四条高倉の占庭から

ロックダウンの恐ろしさ

そろそろ緊急事態宣言が出されるようですね。

都市のロックダウンとは違うので、封鎖されるわけではないですが、

真剣にいまの事態を受け止めて行動を、というメッセージは重いです。

 

既にロックダウンされた外国の都市を見ていて、まず最初に頭をよぎったのは、

それによって家庭内はどうなるのか? という恐れでした。

家庭が安息の場所である人はよいのですが、そうでない人も少なくありません。

わたしは占いを通して、いろんなご家庭の事情を聴いてきて知っています。

家庭内暴力、家庭内別居、モラハラ、虐待、夫婦・親子・兄弟姉妹関係など、

それぞれに問題を抱えながら、なんとか息抜きや気分転換をし、

どうにか持ちこたえているお家もたくさんおありです。

そういうお家で、家族全員が在宅し、しかも外へは最低限しか出られず、

先行きの不安にのしかかられたときの不幸は想像にたやすい。

密室で起こる八つ当たりはエスカレートしていくものです。

ウィルスよりもそちらのほうがよほど危険、という方だっておられると思います。

いざとなったら逃げ出せる場をあらかじめ考えておいたほうがいいかもしれません。

できれば、公的な相談窓口なども開いている内に、当たっておきましょう。

 

また、休日は朝からお酒を飲むのが楽しみ、という人も結構おられますが、

毎日がお休みになってしまえば、延々とそれが続いてしまいかねません。

いつもと違う生活を強いられたとき、どんな人だってストレスを感じるし、

解消できずに積もり続けるストレスは人を蝕んでいきますでしょう。

こういう時こそ、SNSがよい活躍をしてほしいなあと思います。

不安を分け合ったり、励まし合ったり、気分転換を共有したり、

そういう使い方だってできるんじゃないですかね。

 

不確かな情報を大量に発信する人や、誰かを打ちのめすように叩く人、

不安を煽り続ける人などは、この際ミュートしていいと思います。

ほんとうに信用できる人や、信頼できるニュースソースを見極めるいい機会、

と考えて、落ち着いていま起きていることを見届けたいです。

この災禍を乗り越えたとき、多くのことが明らかになるのでしょう。

今回のことで、パニックにならず、正しく恐れて身を守る、というのは、

ほんとうに難しいことだということがよくわかりました。

そして、国民がきちんと声を上げること、よい政治家を選ぶことの大切さも。

ふたつのプレッシャー

近所のソメイヨシノが満開です。

明日は風が強くなるらしいので、散ってしまうかな。

 

4月に入って休業し、家で過ごしています。

メールや電話でのご依頼もあり、仕事から完全に離れた状態にはなっていません。

ほんとうにありがたいです。

店舗営業を休止し、現実問題としては非常に厳しいわけですが、

精神的にはとてもラクになりました。

新型コロナウィルスというのは、わからないことだらけなので、

絶対感染源にならない、という確実な方法はなく、できるだけの用心をしたとて、

不安はずっとつきまとっていたので、店を閉める、ということで、

その不安だけは払しょくできました。

 

それともうひとつ。

随分、前の話なのですが、自宅で整体のお仕事をされている知人がいました。

その方が、事情があって自宅での営業を続けられなくなり、

病院へ転職されました。

病院で働かれるということで、きっとリハビリとかのお仕事だろうと思っていたら、

病院内での用務員的なお仕事だと聞いて、驚きました。

他に適したお仕事がなく、その職種を選ばれたのではなく、

そのお仕事をやってみたいと思っての就職だったそうで、

せっかく、特別な技術をお持ちなのにそれを生かしたお仕事に就かれないのはなぜ?

と訊ねましたら、

「疲れたんです」

とおっしゃいました。

 

患者さんを元気にするためには、自分が常に元気でいなければならない。

いつも健康な状態であり続けなければ、というプレッシャーがないというのは、

とても快適です。

うっかり風邪をひいたら休めばいいんですから。

 

と晴れ晴れとしてらっしゃいました。

当時は、そのプレッシャーがどれほどのものなのか、

わたしに実感することはできなくて、そんなに? と思ったものでした。

けれども、自分ひとりで占いの店を始めてからは、それが身に沁みてわかりました。

ご予約をいただいていたら、その日時、

元気な笑顔で、お客さまを迎えなければなりません。

声が出ない、咳が止まらない、熱があるなどはもちろん、胃腸の調子が悪い、

頭痛がひどい、足腰の不具合で店舗までたどりつけないなど、

どれが起こっても困ります。

わたしの場合は、めまいという持病もあり、これは突然やってくるので、

常にその不安とは背中合わせです。

先日、4月から当面休業します、とアナウンスして、3月末の営業を終えた日、

明日、声が出なくなってても、天井が回り始めても、いいんだ(よくないけど)

と思って、肩の荷がドッと下りた気持ちになりました。

それでほんとにガクッと気が緩んで寝込んだりしたらイヤだな、

と思うくらいに。

 

ウチのような小さな店舗で、一日のご予約数がわずかであっても、

これくらいのプレッシャーがあるのだから、

大きな会場でライブや芝居、講演などをされる方のプレッシャーやいかに、

と察して余りあります。

大変だなあ、そういうお仕事の人。

体調の維持・管理と社会での役割を果たすということが切り離せないんですね。

長年、活躍を続けてらっしゃるミュージシャンとか、ほんとにすごいですよね。

新しいものを生み出し続ける創作のプレッシャーと、

精神と肉体のポテンシャル維持のプレッシャーと、両方あるわけで。

なんてことを休業して数日、考えておりました。

 

そして何をしているかといいますと、今日は豆を炊いています。

時間がたっぷりあり、家から出ず、気持ちが急いてない時にはぴったり。

なので、小豆とか金時豆とかじゃなく、もっと時間のかかるやつを!

という気分になって、黒豆にしました。

家中、いい匂いがしています。

4月半ばまで休業することにしました

前回のブログ更新時から2日しか経っていないのですが、

状況が悪化の一途をたどっているので、占庭も軌道修正です。

いろいろと考え、迷いもしました。

営業を続けていくことも、休業することも、どちらも不安には違いないのですが、

占いという業種では、いまは休業するほうが誠実なのかもしれない、

と思い、決めました。

明日まではご予約もちょうだいしていますので、営業しまして、

4月はひとまず半ばまで休業することにいたします。

その後につきましては、状況を見ながら判断していくことにしますね。

 

電話やメールでの占いは、引き続き行っていきますので、

ご希望の方がおられましたら、こちら ⇓ までお気軽にお問合せくださいませ。

電話 09028049716

メール kyotouraniwa@gmail.com 

 

こんな降ってわいたような何の予定もないお休みは、全然うれしくないわけですが、

ただ不安に押しつぶされそうになるのもシャクなので、

ふだん時間がなくてできなかったことを家で愉しみつつ過ごしたいです。

 

みなさまの生活もいろいろな影響が出ていることと思います。

誰だって不安ですよね。

せめて気持ちは穏やかに、心は健やかでありたいです。

当面の営業はこんな感じでやっていきます

新型コロナウィルスの影響が広がり続ける毎日。

ひと月前くらいは、それほど恐ろしい病気でもないのでは?

という楽観的な感覚でいて、とにかくわからないことだらけなので、

情報を集めつつ、様子を見ていよう、と思っていました。

ところがですね、ここのところのイタリアやスペインの惨状、

イギリス、フランスの危機感を見ていますと、

日本だけは例外なんてことあり得へんやろ、と考えるようになりました。

国内でも、あちこちで、

不要不急の外出の ”自粛を要請” なんていう中途半端であいまいな言葉が流れていて、

なんかそういうのも日本らしいと言えばらしいのか、とも思ったり。

 

これまで占庭は、クレベリンを置いたり、除菌シートでまめに拭き掃除をしたり、

マスクを着けたりして、こんなことで効果があるのかしら? と思いながらも、

いつもと同じように営業してきました。

対面占いというのは、まぎれもなく「濃厚接触」なので、

通常通り、絶賛営業中です! というのも憚られます。

かといって、お客さまからのご要望をお断りするのも心苦しい。

もちろん営業的にも完全に休業するのは厳しいです。

といろいろ悩ましい状況であるのは間違いありません。

が、悩ましいとか、そんなこと言うてる場合じゃない! と早晩なる可能性も高い。

 

ということで、これからしばらくの間は、以下のような営業にさせていただきます。

 

・対面占いをご希望のご予約は引き続きお受けします(前日までに連絡ください)

・営業日当日のご予約のお客さまが終了したら、早じまいします

・営業日前日までにご予約がない場合は、臨時休業します

・メールや電話での占いもお受けいたします

 

今後、状況が変わり、医療関係や、生活必需品を扱う店舗以外は閉めるように、

というような要請が出される、もしくは、わたしが体調不良になる、

などの場合は、一定期間休業ということになる可能性もあります。

予測不能の毎日が続いていますので、臨機応変に対処していくしかありません。

みなさまも、どうぞ心身疲弊されませんよう、なるべく穏やかにお過ごしください。

できる用心をしながら、いつもとは違う生活や時間の過ごし方を嘆くよりも、

いっそ活用する心持ちにできたらいいですね。

 

とは言うものの、フツーの暮らしがいつごろ戻るのか、待ち遠しい限りです。

しかし、とにかく、いまは健康第一。命最優先です。

ブレイディみかこさんのエッセイ、オススメです

新型コロナの影響がどんどん広がっています。

外国の人気のない街の様子を見ていると、

近々、日本もそうなったっておかしくないのだろうな、と感じます。

桜も咲き始めましたが、今年は無邪気にお花見もしてられないような状況で、

世の中がどうなっていくのか、不安になりますね。

それでも、生活は続いていくわけですから、できる用心をして、

なるべく心身を健やかに保つよう心掛けるしかありません。

相手は未知のウィルスで、いま打っている手がそこそこ正しいのかどうかすら

誰にもわからないことで。

いま、生きている日本人で、こういう疫病による社会不安にさらされた人って、

ほとんどいないんじゃないでしょうか。

たまたま滞在してた外国で、そういう経験をした方は稀だと思いますし、

おそらくは99%以上の人が、初めての恐怖を経験しているってことですよね。

どんなことにも終わりはいつかくるので、さて、それがいつごろになるのか、

どういう形で決着するのかをちゃんと見届けたいです。

 

いま『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』という本を読んでいます。

著者のブレイディみかこさんは、以前、筑摩書房のPR誌「ちくま」に、

『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』を連載されてて、

それがめちゃくちゃおもしろくて、ファンになりました。

6月に刊行されるようなので、改めてまた読みたいです。

ブレイディみかこさんは、音楽好きが高じて英国へ通いつめ、

音楽ライターとなって、英国で結婚し、子どもをひとりもうけられました。

その後、保育士になり、彼女曰く「底辺保育園」で保育を続けることになりました。

いま読んでいる本は、彼女のひとり息子が上品なカトリック系の小学校から、

上品ではない元底辺中学校へとイレギュラーな進学をし、

その息子さんの経験を通して、感じたことがつづられています。

『ワイルドサイド ー』を読んでいたときも、英国の労働者階級の人たちの暮らしや、

彼らにとってEU離脱はどういう問題だったのか、

また、英国人にとって、無償医療サービスはどういうものなのか、など、

実際に住んでいないとわからない話をたくさん知ることができたのですが、

今回は、保育や教育、学校、ボランティアなど、子育て視点での話なので、

また違ったおもしろさがあります。

 

他国の話を見聞きすると、つい、自国と比べてどうなのか、と考えがちですが、

それぞれの国に成り立ちや歴史があって、いまがあるわけで、

いいところだけ、悪いところだけを取り上げて、どっちがいいとか劣っているとか、

そういうことを考えるのは、ほんとにナンセンスだなあと感じます。

教育についても同じで、システムやプログラムの優劣とかそんなことよりも、

何をどう感じ、自分の考えにしていくのか、

その基本となるところを大人たちが誠実に育てる努力をすることが、

大事なのだろうと思います。

大人も子どもからたくさんのことを学び、子どもに育てられます。

それこそが子どもと関わる醍醐味ともいうべきところで、

お互いにとって、非常に幸福なことだと思います。

 

ブレイディみかこさんの文章は飾りがなく、とても率直で正直です。

読み手を教育してやろう、なんてところがないのがいいです。

「こういうことがあったの」と投げかけるだけ。

そこから考えるも考えないも、自分なりの判断をするもしないも、

それらは読み手にゆだねられます。

でも、そこに押し付けがないからこそ、必ずや、たくさんのことを感じ、

考えることになります。

ブレイディみかこさんの文章にはそうさせていく力があるのです。

おでかけ鑑定&臨時休業のお知らせ

急遽、3月15日(日)は、上七軒での西陣ro-jiマルシェさんに伺うことになり、

占庭の店舗営業は臨時休業とさせていただきます。

 

詳しくはこちらをご覧ください ↓

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ピンチヒッターなので、占庭の名前は入っていません。

お話をいただいた時、ちょうど、15日のご予約がまだゼロだったんです。

ご縁があった、ってことかなあ、と思います。

 

☆ 11~16時

☆ タロット&手相

☆ 15分・1000円

※ ご予約不要

 

こういう時期ですので、ぜひいらしてください! とは言えないのですが、

お気が向かれましたら、どうぞおいでくださいませ。

 

おでかけ鑑定、久し振りなんですよね~

やっぱりワクワクします。

正義は不自由だ

今朝は早い時間のご予約がなかったので、出勤前に知恩院さんへ。

京阪電車祇園四条駅から四条通を東へと歩いていくのですが、

いつもは外国人観光客で歩きにくいほどの歩道もガラガラです。

南座祇園花月は休演。通りの路面店も、営業時間短縮の貼り紙があちこちに。

タクシーも空車が目立ちます。

 

知恩院さんは、9年も掛けた御影堂の大修理が完了していて、

4月の半ばから落慶法要が営まれる予定なんですけど、

どういう形で行われるのでしょうね。

こういう時だからこそ、仏さまのお力にもすがりたいところですが。

 

帰り道の参道で、ふわっといい香りが流れてきました。

沈丁花でした。

マスクをしていても気づかせてくれるのはさすがというか。

ほうっと気持ちが和みました。

いつも通りに暮らしているつもりでも、やっぱりどこか緊張してるんですかねー

ありのままであることが癒しになる。自然の力は、えらいもんですね。

すぐにバスに乗らず、歩いていてよかったです。

 

飲食店も、いまはお客さんが少ないのだそうです。

閉店してしまったら困る贔屓のお店に、足を運んでおきたいと思います。

みなさんもそうなさっては? とは言いません。

いまの世の中、誰もが「正義」の側に立とうとしているような気がしてなりません。

でも、「正義」って人によって違うところもありますでしょ。

みなさんもこう考えましょうよ、と促すのは悪くはないですけれど、

こうすべき! になるのは怖いです。

自分の正義、世間の正義を他人に押し付けたり、それで叩いたりするのは、

とても恐ろしい。

自分は正義の側に立っていると信じている人は、

違う意見の他人を断罪する権利をも得ていると勘違いしてしまうんですよね。

断罪する側にもされる側にもなりたくないので、

「正しくありたい」気持ちの強い人とは、近くなりすぎないようにしています。

お互い、いい距離を保っておけば大丈夫。

 

さ、今日の占庭もご予約が少ないので、いつもは混んでいるおいしいお店に、

お昼を食べに行ってきましょかね。