京都 四条高倉の占庭から

四苦八苦

以前、イタズラ電話の主が干してある下着を盗んだとウソをつき、

どうやって取ったの?との問いに、

「シ、、、シクハックして!」

と叫んだ、という話を書きました。

その四苦八苦。

仏教用語なんですよね。

新聞のコラムで読んだのですが、この何気なく(なにしろイタズラ電話ですら)

使っている言葉、すごくムツカシくも深い意味があるのです。

 

まず「四苦」とは「生・老・病・死」。 

そっかー、やっぱり生きてること自体が「苦」なんや~ 

と、勝手に納得していたら、この「生」は、生きていることではなく、

誕生まで(妊娠から出産)の苦しみの境地なのだそうです。 

あとは、字のままなので明解。 

 

では「八苦」とは? 

愛別離苦(あいべつりく)」「怨憎会苦(おんぞうえく)」

「求不得苦(ぐふとくく)」「五陰盛苦(ごいんじょうく『五蘊盛苦』とも)」

の四つを先の四苦に加えて、八苦なのだそうです。

うーん、縁のない四文字熟語ばかり。

そもそも正しく読めません。 

一気にお経の世界に突入です。

 

愛別離苦」あいべつりく

これはわかります。愛する者と別れるつらさ。 

 

「怨憎会苦」おんぞうえく

これもなんとなくわかるな。怨んだり憎んだりの思いだろう、

と思っていたらそうではなく、イヤな人、嫌いな人と出会うこと。なのだとか。 

 

「求不得苦」ぐふふとく

これは、読んで字の如く、求めても得られない苦しみ。 

 

五陰盛苦」ごいんじょうく 

これはさっぱり??

食欲・性欲・睡眠欲・地位欲・名誉欲。 

肉体を持っていること自体に伴う、燃える煩悩。

これを抑えることができない苦しみのことらしいです。 

人によっては、食欲・性欲・睡眠欲の本能的な欲よりも、

地位欲や名誉欲が突出してる場合もあるんでしょうね。

 

どれも、あるなあ、あるある、と思ってしまう意外と身近な八苦。

なるほど、四苦八苦は生きていくことそのものなんですねぇ。

そんな言葉をうかうか使ってもいいものかしら、と思いもするのですが、

たったいま、こうして書いた四苦、八苦の意味も、

たぶんすぐに記憶の彼方へ消えていくのは間違いなさそうで、

ああ、情けない・・・・