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京都 四条高倉の占庭から

似ています

先日、参加したイベントで、チボリ公園という名前が出て驚きました。

関西在住の子の、修学旅行先の話の中に出てきたんです。

その方は、今はもう倉敷チボリ公園はない、ということを

ご存知ないようでしたけれどね。

ええ、倉敷チボリ公園は取り壊されて、

今はアウトレットモールになっています。

 

10年あまり前に、倉敷チボリ公園で働いていたことがありました。

わたしは職業と住居が定まりにくい、

流浪性の高い星の下に生まれてるんですが、

どうもその影響をまともに喰らったようで、

いろんなところで働いてきました。

辞めたくなくても、

結婚、出産、離婚、病気、リストラ、倒産、引っ越しなどで、

転職を余儀なくされること、しばしば。

そのたびにまた新たな職探しです。

もうたいへん。

 

チボリで働いていたのは、正社員で安穏と勤めていた会社が倒産し、

急ぎ、知人の飲食店で働いた後のことでした。

占い師として働いていたのではなく、商品販売の事務で、

売り上げ管理やPOPの作成などが主な仕事です。

昔、手描きPOPを描いていたこともあったので、

パソコンでのPOP作りが楽しくて楽しくて。

新しいことを覚えていくのって、ワクワクします。

そのチボリは、別の知人の好意で辞めざるを得なくなるわけですが、

ややこしい話なので、割愛。

 

チボリに在籍していた3年ほどの間、とっても楽しく仕事ができました。

遊園地は一般の人がお休みのときが、かきいれどき。

土曜、休日、お盆、年末年始。

元旦の朝、がらーんとした水島臨海鉄道に乗ると、

清々しい気持ちよさがあって、好きでしたねー

 

園内ウエディングのある日、晴天ならば屋外結婚式となります。

オープンな人前式で、たまたま園内に居合わせたお客さまにも、

風船が配られ、祝福の輪に入っていただきます。

新郎新婦が永遠の愛を誓い合った後、

白い鳩が放たれ、ご参列のみなさま、ギャラリーのお客さまが、

手に手に持った色とりどりの風船を空へと飛ばします。

その瞬間というのは、純白の幸福のお裾分けをいただくようでね、

何度立ち会っても毎回、涙ぐんでしまうのでした。

ええ、仕事を抜け出して、遠くから見ていました。てへへ。

 

遊園地というところは、基本的に、どなたも、

「楽しもう」という前提で来られる場所です。

ケンカ腰で遊びに行く人はまずいらっしゃらない。

なので、園内に

 うわあ、楽しい~!

と思おうという気が満ち満ちてるんです。

特に小さなお子さんはそう。

よくわからないけれど、楽しくてうれしくてしょうがない。

そういうお客さまを見てるだけで、めちゃくちゃ癒されるんですよ。

少々の仕事のストレスなんか吹っ飛びます。

あんな気持ちのよい「場」で働けて、幸せでした。

 

京阪の祇園四条駅から四条大橋を渡って、

東華菜館のビルを見上げると、屋上に塔のような建物が見えます。

青空にくっきりと映えるその風景が、

倉敷チボリ公園の中にあった景色に似ているんです。

とても懐かしい気持ちに包まれます。

その記憶の元の風景が、今はもうないのがほんとうに残念です。