京都 四条高倉の占庭から

占い師の守秘義務

今日は、新規のお客さまはお二人やったんですが、

お一人はお友だちの紹介、お一人は通りすがりで気になっていたんです、って方。

だいたい、占いっていうのは、よほど好きな人や慣れている人でない限り、

ぱっと気軽に行けるものではないんですよね。

 

ヘンな占い師だったらどうしよう。

ぼったくられたら困る。

怖いこと言われたらイヤだなあ。

当たるの?

 

とまあ、いろんなハードルが立ち並んでいます。

それを一気に低いものにするのが、信頼できるクチコミです。

友だち、家族、同僚など、自分が信用できると思える情報源から、

「行ってみたら?」と言われると、ちょっと興味が湧くものなのでしょう。

そういったご紹介でおいでくださる方がとても多いです。

 

ただ、そこで気になる問題が。

紹介してくれた人に、自分の相談事を知られるんじゃないか、

と警戒される方もあるようで。

何度も占庭へおいでくださり、お客さまをご紹介くださっている方とは、

自然と親しくなりますし、占い以外のおしゃべりもするようになります。

けれど、ご紹介いただいた方の占いの内容について口外することはありません。

どれだけ親しくても。

 

占いというのは、ほんと、個人情報の凝縮体みたいなもので、

お名前、生年月日を始め、外へ漏れてはいけない情報をたくさん頂戴します。

ですので、カルテは鍵のかかるキャビネットで保管しています。

占い師は守秘義務を厳守すべきだし、占いというのは信用商売でもあります。

たとえ、心配されているご家族に訊ねられるようなことがあっても、

お話しするわけにはいかないのです。

 

不思議なのは、最初「家族には内緒にしておいてください」

とおっしゃっていた方が、占いの後、

自分からご家族にお話しになることが多いんですよね。

もちろん、全部ではありませんけれど、

占庭での会話のある部分をご家族に話したくなって、

実は行ってきたの、とお話しになるようです。

 

そのお気持ち、とてもよくわかるんです。

占いって、納得できるところ、できないところがあると思います。

そこのところを誰かに話して共有したくなる。

それは煮詰まっていた悩み事が、誰かに話せるところまでライトになった、

ということかもしれないし、話せるところまで気持ちの整理がついた、

ということもかもしれません。

いずれにしても、占い師としましては、うれしいことですし、

ほっとすることでもあるのです。