京都 四条高倉の占庭から

良心のありか

秋の交通安全週間に入り、パトカーをよく見かけます。

昨日、わたしの前を走っていたタクシーが、交差点を抜けるとき、

「いまの、もう赤信号になってたなあ~」

と思っていたら、横から白バイがサイレンを鳴らして追いかけて行き、

止められていました。

危険なほどの信号無視ではなかったけど、黄色か赤かというと、

間違いなく赤になってから進入してはったので致し方ないですね。

京都の街は道路が狭いところが多く、渋滞も起きやすいので、

完全アウト! っていうタイミングで赤信号になった交差点に突っ込んでいく車、

結構あるんですよ。

取り締まりが強化されてる時期でもありますし、安全運転でまいりましょう。

 

さて、ここのところ、

恋愛・結婚で、長続きするカップルの共通点って、どういうところだろう?

ということを考えていました。

よく「お似合い」って言いますよね。

そのお似合い、というのは、見た目とか、暮らしぶりとか、学歴とか、年収とか、

いろんなポイントがあって、それらのどれかが釣り合っているようだと、

お似合いだよね、って言われるんだと思うんですよ。褒め言葉として。

けれども、お似合いのカップル、と思っていても、続かない人は続かない。

ということは、お似合いっていうのは、そんなに重要じゃないのかな?

とも思ったんですけど、いやいや、そんなことはないだろう、とも思います。

 

また、関係解消の際の理由として「価値観の相違」というのも、よく聞きますよね。

価値観が近いというのは、暮らしの中で優先したいものが似ていたり、

どこにお金を使いたいのかが同じだったり、ということですね。

住居、食事、服飾、趣味など、どこにちょっとした贅沢をしたいか、

がズレてしまうと、モメ事の元になりやすいです。

ともに生活していく上で、そこは大きなポイントですもんね。

そして、何を優先したいか? の方は、

どこに時間使い、相手をどのようい慮っていくか、

というところでしょうか。

 

この「価値観」と「お似合い」って、似ているな、とも思うんですよ。

価値観の共通点が多いカップルは、たぶんお似合いなんです。

しっくり感があったり、一緒にいてラクに感じられる、というのは、

そこに通じるんじゃないかな、とお客さまの話を聴いていて思います。

しかしながら、価値観もお似合いも、ふわっと広がりのある表現で、

ココ! っていう言葉ではないんですよねー

 

で、考えました。

うまくいくカップルに、多く共通している部分は、どこ? 何? と。

 

最初は、そうだ「魂のレベル」だなとか思っていたんですよ。

でも、魂とか、それこそ「何なん、それ?」な言葉で、

万人が同じイメージで捉えることはできません。

じゃあ、そのわたしが考えている魂というのは、

そもそも、何によってレベルが違ってくるのか、なんて考え始めまして。

魂のレベルを左右するのは、品性とか品格っちゅうもんではないか、と。

それならば、その品性、品格は何によって変わってくるのかなあ、

と、ほんとに、答えのないようなことをぐるぐる考えていたんですね。

そこで、ああ、それは「良心」かな、というところにたどり着きました。

 

誰の心中にも、天使のわたしと悪魔のわたしがいます。

白い部分と黒い部分がある。

白一色、なんて人は存在しないし、それが理想、というわけでもない。

その誰にでもある黒い部分の、許容できる黒さのラインっていうのが、

あると思うんですね。

このくらいの黒さは処世術としてアリ、必要悪の範疇、

と判断するラインっていうことです。

それは、常識とか、道徳心とか、信仰心とか、概念とか、

いろんなものが混じり合って、その人その人の判断基準になっていくのでしょう。

 そこまでの黒さは受け容れがたい。

 いくらなんでもそれはダメ!

と思う線引きが、それぞれの良心のありかなんじゃないでしょうか。

 

セクハラ、モラハラパワハラなど、なんとかハラスメントと呼ばれるものも、

やっぱりこの良心のありかの差異が、表面化させるような気がします。

 また、人間関係にどこまで損得勘定や上下関係を混ぜ込むか、

なんてことも、それぞれの良心に委ねられる部分でもあるでしょうし。

 

で、そのラインの位置がふたりの間に大きなズレがあると、

お似合いだろうがなんだろうが、もう続けていくのは困難になってしまうのでは?

と思ったのです。

長く良好な関係を続けてらっしゃるカップルは、善悪のさじ加減が似てらして、

品性・品格のレベルというか、規格というか、

そのあたりのバランスが絶妙だなあと感じられます。

 

良心のありかは、いろんなところで、こぼれ出ます。

なんともいえないイヤな気持ちを連れてくる、ちょっとした違和感、

というのは曲者です。

大きなトラブルにはならなくても、積もり積もってくるとズレは明らかになり、

ああ、この人とはもう無理だ・・・・となっていくのだと思います。

ですので、パートナーとの関係に、もやもやしたものを感じている方が

おられましたら、それはお互いの良心のありかに違いがあるんじゃないか、

というあたりをね、一度考えてみられるといいかもしれません。