京都 四条高倉の占庭から

「占ってもいいですか?」

昨夜の十五夜もきれいでしたが、今夜の十六夜の月も美しいです。

今年はお天気に恵まれましたねー

こんなにクッキリ、スッキリと堂々たる中秋の名月を愛でられるって珍しいです。

 

ここのところ、忙しくて、なかなかブログも更新できずにいました。

新規のお客さまが多く、しかも「占い、初めてなんです!」という方が

どうしてこんなに多いんだろう? と不思議に思っていたのですが、わかりました。

テレビでした。

占い師が芸能人などを占っているところを公開している番組があるんですよね。

そういう番組があるというのは知っていて、友人やタロットの生徒さんからも、

「おもしろいよ~ 見て、見て!」と勧められてもいたのです。

それ見たら、占いに行きたくなったりするの? と訊くと、

なるなる~~~! とのこと。

それは一度、見てみないといけないなあ、と思ったのですが、

ふだん、あんまりテレビを見ないので、そうは言われても、ついうっかり忘れて、

を繰り返していました。

先日、夫が「占いの番組やってるよー」と教えてくれて、初めて見られました。

 

人の占いって興味深いし、勉強になりますね。

占ってらっしゃるのを聞きながら、ふんふん、こういう星の人なのかな?

ああ、たぶんこんな運勢の年回りだったんだろうな、とか頭に浮かびます。

わたしだったら、もうちょっと違う伝え方をするかもなあ、

とシミュレーションしたりして、おもしろかったです。

心配していた過剰な演出などはされてなかったし、

対面の占いって、だいたいこんな感じよなあ、という印象で、

占い番組にありがちな胡散臭さや、やらせ感もなく、ちょっとほっとしました。

 

けれども、やっぱり占いって公開でするものではないなあ、とも感じました。

対面の占いのいいところは、誰にも言えなかったことや、本音や弱音を吐ける、

というところも大きいのでね。

あんな全国に放映されるようなところで、それはムリですもん。

 

それともうひとつ気になったのが「言い当てる」に注目されていたことです。

これもしょうがないとは思うんです。

バラエティ番組なんだから、キャッチーなところも必要なのはわかりますし。

対面の占いの経験のない人や、ふだんあまり占いに興味のない方などは、

占いって、過去の出来事を言い当てたり、未来を予言したりするもの、

と思ってらっしゃるんだと思います。

もちろん、占って運勢を読むことで、結果的に言い当てたり、予言したりしたように

感じられることが起こる場合もあります。

若い頃の運勢と中年期、老年期の運勢は変わっていくものなので、

過去はこんな感じで、いまはこう、そしてこういう運勢になっていきますよ、

というお話は占い師ならふつうにします。

けれど、それを「当てる」ことが占いの目的ではないんですよ。

運勢や持って生まれた才、性分を知ることで、今後の人生にプラスになるよう、

困難をできるだけ回避して、運気を活かしていってくださいますように、

というのが、占いの目的なので。

 

そう言えば、最近来られる初めてのお客さまは、

「悩みについて聞きたいのではなく、自分について教えてほしい。

 わたしってどんな人なんですか?」

とおっしゃる方が幾人もおられたなあ、と思い当たりました。

それは、言い当ててほしい、というお気持ちだったのかもしれないし、

テレビ番組のように、占い師が知らないはずのことを

サクサクと開示されて、驚かれたかったのかもしれません。

だとしたら、期待にはお応えできなかったかなあ。

おそらく、ネット検索して、怖くなさそうで、一番安い占いの店ということで、

占庭を選んでくださったのだと思うのですが、霊感系ではないもので。

 

占い番組で、占いに興味を持ってお店まで足を運んでくださるのは、

とてもありがたく、うれしいことです。

できれば、そこで、テレビには映らない対面占いの良さを味わっていただけたら、

もっとうれしいなあと思います。

 

しかし、テレビの影響ってすごいですねぇ。

占庭のような、こんな小さな占い店にまで及んでいるなんて。

きっといま、全国の占い店が活性化しているんでしょうね。