京都 四条高倉の占庭から

運を信じる

9月に入りました。

世の中はまったく落ち着きそうにない状況ですが、季節は淡々と進んでいます。

もう日暮れがずいぶんと早くなってきていますもんね。

じわじわと季節もうつろっているので、体調慣らしていきましょね。

 

先日、初めてのお客さまの命式を作っていて、

あれ、もう作ったんだっけ??

と思って、チェックしてみると、少し前に同じような命式の方が

来られていたのだということが判明しました。

縁もゆかりもなく、年齢もだいぶ違うのですが、命式はそっくり。

これだけ似てたら既視感もしょうがないわー

となりました。

うっかり2回作ったのでなくてよかったです。

自分で自分が信じられないお年頃なので。

 

で、ですね、おもしろかったし、驚いたのが、このお二人の方、

「働かずに生きていきたいんです」

とまったく同じことをおっしゃったんです。

お二人ともお勤めされていて、ちゃんと暮らしてらっしゃいます。

仕事の機会も能力もおありなんだけれど「働きたくない」とのことで、

怠け者とか、社会性が低いとかいうわけでは全然ないのです。

 

そうかあ、こういう星の組み合わせの人は、

「働く」「勤める」ということが、ほんとうに負担なのだなあ、

と教えてもらいました。

続けて来られてなかったら、そこは気づけてなかったと思うので、

わたしにとっては勉強になり、ラッキーでした。

 

本で学んできたことに加えて、自分なりのデータも蓄積し、

わたしなりの「占い」がこうして作られていくわけです。

経験、実践はとても大事。毎日が勉強です。

とか言うと、すんごいマジメそうですが、好きだからやれることで、

これがつまらなかったら続きません。

興味があるからたのしい。

新しい発見もあり、教わることがたくさんあるので、

占い師ってなんていい仕事、といつも思っています。

 

で、話は変わりますが、少し前のこと。

リピーターさんとお子さんの進学についてお話ししていました。

親は子どもを育ててる間、いえいえ、大人になってもなお、心配します。

もうね、気にしだしたらキリがないんですよね。

毎日、無事に家に帰ってくるまで心配。

こういう話をしてると、いつも思い出す童話があります。

 

生まれたとき、魔女から「17歳で死ぬ」と予言された王子がいました。

王子はすくすく育ち、活発で、狩りが好きな少年に育ちました。

予言された年齢が近づいてくると、王は心配になり、王子に外出を禁じ、

部屋で過ごすことを命じます。

退屈する王子の気が晴れるようにと、部屋の壁に狩りの様子を描かせました。

閉じ込められ、うっぷんの溜まった王子は、ある日、壁に描かれた獣の目に、

指を突き刺しました。

その際、指にトゲが刺さり、その傷が悪化し、王子は命を落としてしまいます。

王は、こんなことになるのであれば、好きなだけ狩りをさせてやればよかった、

と嘆きました。

 

というようなお話。(細かいところは間違ってるかもしれませんが)

これ、子どもは自然のままに育てなさいと言ってるようにも、

運命は覆らない、とか、命の長さは決まっている、

と言っているようにも思えます。

わたしは、運命は決まっていないと考える占い師ですが、

寿命というのはあるのかもしれない、と感じています。

運命は自分で切り拓いていくことができるけれど、

命は自分でコントロールできるものではないと思うので。

 

わたしも子育てしている頃は、ほんとうにのべつ心配していましたが、

親の庇護が届かないところについては、心配したところでどうしようもありません。

心配から禁止したり、反対したくなる気持ちを抑えるときは、

「この子の運を信じよう」

と思うことにしていました。

何かよくないことが頭をよぎっても、

「そこまで運が悪い子じゃないはず」と否定して。

 

というお話をお客さまにしていたら、

「それ、もらいました! 子どもの運を信じる。

 今日はその言葉をもらいに来た気がします~」

とニコニコしてお帰りになりました。

えっと、占いに来られたはずなんですけどねー

ま、いっかな。