京都 四条高倉の占庭から

売れる占い師って?

今日から気温がグッと下がります、お気をつけて!

とテレビでもラジオでも流れていたからか、今朝の電車で見る人たちは、

すっかり秋の装いになっていました。

それはちょっとフライングちゃうの? という冬っぽい人もおられました。

同じくらいの気温でも、夏に向かっているときと冬に向かっているときでは

服装が微妙に違うんですよねぇ。

やっぱりオシャレは季節を先取りしなくっちゃね、ってことなんでしょう。

 

最近、流れてくるネット広告が、プロ占い師向けのものが増えてきました。

「売れる占い師になるには?」とか、

「開業してもすぐダメになる占い師」とか、そんな感じ。

要するに、占い師で稼ぐには?的な内容の広告なわけです。

ああ、全然興味ない~ と思いながらも、ちょっと引っかかりました。

” 売れる占い師 ”ってどういう占い師なんやろ、って。

 

対面や電話などで予約が取りにくいとか、ズバリお金を稼げるとか、

メディアに出て顔が売れるとか、有名人になるとか、本が出せる&売れるとか、

うーんと、ほかにどういうのがあるかしら。

人気があるというのと、売れるというのは同じ意味なのかなー なんてことも

考えたりしました。

占庭は全然儲かっていないので、わたしは「売れる」占い師ではありません。

そして、売れたいかと訊かれても、売れることは望んでないなあと思います。

負け惜しみではなく。あんまり忙しくてもしんどいですしね。

それでもお客さまが来てくださらなければお店を維持できなくなります。

最低でも必要な経費分は売り上げがなければ続けられません。

リピーターさんが予約できないほど売れても困るだろうけど、

誰も来てくださらなければ困るのもたしか。

どんなお客さん商売でも同じだと思いますが、

ほどほどっていうのはたいへん難しいことです。

 

これはわたしの勝手な考えですが、占い師という仕事(または商売)は、

儲けようとするとあかんようになるんじゃないかと思っています。

ひとの悩みやしんどいこと、つらい話を聴いて、占って見料を頂戴します。

そこに「この人から儲けよう」なんて気持ちが混ざるのはなんかヘンでしょ。

これはキレイ事を言ってるわけではなくてですね、

占いって、人対人の仕事なので、信頼関係がそこで成立するかどうか、が

とても大事なんですよ。

もちろんその信頼関係はインスタントなものではあるのですが、

何度もおいでくださる方とは、インスタントでないものが築いていけたりします。

そこにはお互いの歩み寄りというか、相手に心を寄せる気持ちがないと

成立しないものなのです。

それらが積み重なって、結果的にお客さまが来てくださり、お店も成り立つ、

というのが理想だし、そうでなければ続かないだろうとも思います。

お客さまから信頼してもらえるかどうか、ですね。

これがまた「当たるから信頼してもらえる」だけではなかったりするので、

占い師という仕事はおもしろい。

 

「売れる占い師になるには?」「繁盛店にするには?」という文言に

違和感を感じてしまうのは、意図的にそこを目指しているようで、

引っかかってしまうのでしょう。

いやいや、これはわたしの思い込みでありまして、

そんなんプロちゃうやろ、という向きもあるのはわかっています。

自分でも甘い自覚はあるので。

だけどたぶんこれからもそこは変わらないだろうと思います。

 

そういえば、先日もお客さまに、

「商売をわかってへんやろ。計算できんのか、安すぎるやろ。

 商売のセンスなさすぎや!」

と叱られちゃって。

占庭は安いのがウリなんで、へへへ、とお返事したのですが、

そのお客さまもリピーターさんなんですよー 

笑ってしまいますよね。