京都 四条高倉の占庭から

耳ちくわ

関東はもう梅雨明けしたかも、ということらしいですね。

入梅が早かったので、明けるのも早かったんでしょうか。

長い夏になりそうですね。

京都は7月1日から一か月間、祇園祭で、八坂神社の神事・行事が続きます。

毎年、山鉾巡航のころに梅雨が明けてるかどうか、ってところなのですが、

今年はもうすっかり明けて、夏の陽射しが強烈なのではないかと思います。

その分、蒸し暑さはマシかもしれませんけれど。

 

前々回のブログで、聞きたくない話を聞かねばならない時は、

心に空っぽのバケツを下げて行くというのもひとつの手です、

ということを書きました。

同じように「耳ちくわ」も使っていただけたらな、と思うのです。

ちくわの穴は素通しなので、話しを素通りさせよ、という意味ですが、

もしかしたら「耳ちくわ」は関西特有の言い回しかもしれません。

「耳ちくわやで」と言われたら、

いちいち気にせんと、聞き流しておくんやで、

ということです。

 

八つ当たりのお説教や、愚痴、繰り言などをそこに居て、聞かざるを得ない時、

しかも、聞き流すことが一番よい対処法である場合、耳ちくわは有効です。

コツがあります。

耳を覆いたいけれど、それはできないので、

「耳ちくわ、耳ちくわ」と唱えながらやり過ごす、というのではないんです。

それだと全然肩の力が抜けないし、なんだか苦行に近い。

想像するんですよ。

文字通り、自分の耳がちくわになっているところを。

右の耳の穴、左の耳の穴、どちらからも焼き目のついたちくわが

ちょこっと飛び出している図を想像しましょう。

両の耳は、頭の中でつながって1本になっている、長~いちくわ。

右から入ってきた話は、白くてつるつるしたちくわの穴を通過していき、

左からするんと抜けて散り散りばらばらになっていく、と。

 

耳の穴からちくわが飛び出していると考えるだけで、なんかおかしい。

ちょっとちぎって食べてみたいな、とか考えてしまいます。

せっかく、ちくわの穴を滑っていくのですから、話の内容を吟味してはいけません。

それよりか、ちくわです、ちくわ。

わたしの耳からちくわが飛び出てるのよ、ゲラゲラゲラ。

という気持ちになりましょう。

 

それが「耳ちくわ」を発動する際のコツです。

それくらいのくだらなさがいいんですね。

切羽詰まった耳ちくわよりも、ずっといい仕事をしてくれます。

一度、お試しになってみてください。

ぜひ、おもしろがって。