京都 四条高倉の占庭から

ソンとトク

明日はブログを書こう、今日こそは書こうと思いつつ、

ひと月半が経ってしまいました。

5月、6月ととても忙しくさせていただいていました。

ありがとうございます。

この間に梅雨入りもし、ムシムシする京都の夏が始まりました。

最近、修学旅行が復活してきたのか、それらしき生徒さんたちをよく見かけます。

外国人観光客も、以前とは比較にならない少数ですが、少しずつ増えていますね。

じわじわと世の中も変化してきているようです。

 

ブログを更新しない間も、いろんなことを感じたり、考えたりしました。

けれど、それらをわざわざ文章にして、ひっそりではありますが

こうして公表することに意味があるんだろうか・・・・

なんてことも思って、ますます書けなくなってしまったり。

占いでいろんな方のいろんな考えや生き方を聴かせてもらうわけですが、

いちばん正しい生き方とか、正解なんてないんだな、といつも感じます。

無数の選択肢の末がいまであり、将来も無数の選択肢の先にあります。

その選択が正しかったのか、今後選択を誤らずにいけるのか、

なんてことは考えてもしょうがないことじゃないかと思わずにいられません。

選択に迷われたときに、何らかのヒントを占いが提示できることはあると思います。

というか、そのために占いをしています。

だけど結局は、その時その時に自分で考えて、自分で選んでいくしかないし、

それがたまたまうまくいったり、いかなかったりするだけ、とも言えます。

よく「自己責任」と投げ出す人がおられますが、

それらは「責任」とかいう言葉を持ち出すような話ではないと思うんですよねー

 

時々、「損をしない選択をしたい」という気持ちが強く出てらっしゃる方がいます。

そういう方のおっしゃる「損したくない」の裏側には、

「トクをしている人がいるのだから」

があるようなのです。

先の「自己責任」云々の話でも、

「いまお前がソンをしているのは、自業自得だ」

というニュアンスが感じられてうんざりしちゃうんですよ。

他人がトクだのソンだの決めるもんじゃないでしょうよ、って。

 

人生における損とか得とかって、いったい何なんでしょうね。

損得は、そのまんま個人の価値観てことなのかもしれません。

そうであれば、その人の得は、違う人にとっては得ではないかもしれないわけで、

絶対的なトクなどはないんだろうと思うのです。

いちばんソンしない選択を占いで示してほしいと望まれても、

何がその方にとってのトクでありソンであるのか難しいですし、

正直なところ少々困ってしまいます。

占い師としましては、「得」よりは「徳」のほうがずっと上等で、

幸福や、よりよい人生に通じるものだろうと思ってしまうのですけれどね。

この「徳」は「得」よりももっとわかりにくかったりもしますし、

宗教者でもない占い師が「徳」なんてことを言うたところで、逆に胡散臭いでしょ。

そういうわけで、ここにそっと書いておくことにします。

 

しかしながら、世の中はお金で回っているのも事実。

占いの見料、30分で2500円も支払ってソンしたわー

と思われてしまってはいけないので、わたしも精進いたします。