京都 四条高倉の占庭から

祇園祭前祭(さきまつり)が終わりました

いろいろとご心配、ご迷惑をおかけいたしましたが、すっかり元気になりまして、

先週末から営業を再開しています。

再開した土曜日が祇園祭宵山に当たり、京都はものすごい人出。

翌日曜は、前祭(さきまつり)の山鉾巡行の日です。

こちらは早朝から沿道が人々で埋め尽くされていました。

なにしろ3年ぶりの巡行で、三連休の中日の日曜日です。

例年に増してどっと人があふれるのも道理ですよね。

日曜日はちょうど出勤してくるときに巡行と出会ったので、

大急ぎで写真を少しだけ撮りました。

 

こちらは蟷螂山。

屋根の上にカマキリがいますでしょ。

カマキリはからくり仕様になっていて、時々、羽を広げて鎌をもたげるので、

大人気の山。

人ごみが苦手で並ぶのも嫌いというわたくし、

仕事のない日だったら、巡行を見に京都まで出てくるなんてことは

まずありません。

けれど、こうして間近で見ると、やっぱり一見の価値はあるなあと

思ったりもするのです。

今年は異常に早い梅雨明けで心配していましたが、なんだか戻り梅雨というか、

まだ明けてなかったんちゃうん? みたいな気候になったこともあり、

命の危険を感じるような暑さにはならず、過ごしやすい巡行になってよかったです。

次の日曜は後祭(あとまつり)の山鉾巡行が行われます。

前祭のように宵山などは歩行者天国にもならず、出店もないので、

人出もぐっと少なくなり、しっとり静かな雰囲気になります。

巡行の山鉾の数も少なくはなりますが、見応えは変わりませんので、

後祭、おすすめです。

 

たまたま東京から来られたお客さまが「ぎおんさい」とおっしゃっていて、

そうか、誰もが当たり前のように ”ぎおんまつり” と認識してるわけじゃないんだな、

とはっとしました。

京都は、通りや筋の名前も読み間違えやすいものがたくさんあります。

「丸太町」はまるたまち、「麩屋町」はふやちょう、と読みます。

占庭の住所は「帯屋町」で、おびやちょうだと思い込んでますけど、

ほんとのところはどうなのか知らないんですよ。いい加減ですよね。

ただ、京都の人に場所を説明するときに、帯屋町です、とは言いません。

「四条高倉を上がった左手です」と伝えます。

そう言えば、東西(ヨコ)の四条通と、南北(タテ)の高倉通の交わったところを

北上した西側、とわかっていただけるのです。

北上することを上ル、南下することは下ル(さがる)と言います。

それはタテの通り沿いにある、ということにもなるんですね。

 

西入ル、東入ルだと、ヨコの通りとタテの通りと交わったところから、

西へ入ったところ、東へ入ったところ、ということになり、

ヨコの通り沿いに位置するということになります。

文章にするとわかりにくいですね。

要するに、タテの通りとヨコの通りが交わったところからどちら方向になるか、

というところでおおよその場所が示されるということなのです。

通りが碁盤の目に走っているからこその利便性です。

 

京都で占庭を開いて七夕で丸11年となり、12年目に入りました。

さすがに地理もだいぶわかってきて、頭の中で通りや筋が浮かぶようになりました。