京都 四条高倉の占庭から

私的エンタメ月間の締めくくりは「宇宙図書館」

重なる時には重なるもので、昨夜は、ちょうど2週間前の水曜日に行ったばかりの

中之島フェスティバルホールへ。

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前回のツアーではチケットが取れず、行けなかったので、

久々のユーミンでした。

ええ、とってもよかったです。

今まで一度も、よくなかったことがないのがユーミンのステージなのですけれどね。

 

2週間前とは打って変わり、3階席の端の方の席だったので、双眼鏡持参で。

高みから見下ろすステージは、奥行きがよくわかります。

ああ、こんなに広いんだな、って。

あまりにも上の方なので、自然に、ちょっと引いた視線になります。

そこで確かにユーミンがうたっていて、観客も熱い思いで見ているのだけれど、

大きなスクリーンを見ているような気分なんですよね。

で、それはそれで悪くないんです。

静かに、ゆったりと、自分のペースで歌を聴き、ステージを愉しめる感覚もあって。

 

始まりはいつも、ユーミンの喉が緊張しているのがわかります。

でも、それで一気に、観客も集中するところもあり、その世界へ引き込まれます。

異世界へと誘う、きらびやかな衣装や贅沢な美術や演出も魅力。

新譜の「宇宙図書館」からだけではなく、荒井由実の時代からのナンバーや、

誰もが知っている、もはやスタンダードとなった曲も挟みながら、

まったく飽きさせることのない、サービス満点のステージングです。

若いファンの人も楽しめ、古くからのファンには、

「おお、あの曲を演ってくれるの?」という愉しみもあり。

 

わたしは昔からユーミンファンではあったのですが、

コンサートへ足を運ぶようになったのは12,3年前からです。

改装前のフェスティバルホールでは最前列で見られたんですよー

大阪城ホールの大掛かりなステージには、その贅沢さにも、

スケールの大きさにも圧倒されてしまいました。

ホールでもアリーナでも、ユーミンの真摯な姿は変わりません。

毎回、感じるのは、なんて誠実でまじめな人なのだろう、ってことです。

何十年もの間、走り続け、常にチケットは瞬く間にSOLD OUT。

それでも、驕らず、えらぶらず、フレンドリーでありながら、

観客を尊重するスタンスは、尊敬以外の何ものでもありません。

その、決して守りに入らないスタンスはすごい。

もっと新しくよいものを目指す姿勢、妥協のないギリギリの努力が見えます。

こんなに大きな存在の人なのに、こんなに必死に身を削るようにして、

ひとつひとつのステージに全力を尽くしている、というのが伝わってくるから、

いつも胸いっぱいになるんですね。

いや、ほんと感動してしまうんです。

 

さざめくような拍手も、割れんばかりの拍手も、観客の気持ちが乗っかっています。

それが一体となった瞬間は、その場にいられたしあわせを噛み締める至福の時。

 

アンコールは、アンコール用に編成されたゴキゲンなメドレー。

最高に盛り上がり、最後はしっとりと心に沁み、ステージと客席を結ぶ

「ほんとうにありがとう」という魂の交歓が。

コンサートはアンコールで完成され、すぐに客電も点いたのだけれど、

誰も帰ろうとせず、アンコールの拍手は続きます。

そして、ピアノの武部さんとユーミンだけがまたステージに出てきてくれ、

「青いエアメイル」を。

ありがとう! 最高のお客さまです!

と言うユーミンの声が、うるんで聞こえ、グッときました。

 

いや~ 素晴らしかったーーーー!

ええ、毎回、そう思うんですけれどね。

 

今回のツアーは8月のフェスティバルホールもチケットが取れました。

次はもう少し近い席だといいなあ。

やっぱり「ルージュの伝言」を振り付きで踊りたいんだもの。